三人称と一人称

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   コンサルタントをやっていて、また、自分が人生を送っていて、うまくいっている会社とそうでない会社、自分がうまくいっているときといっていないと きに、明らかに違う表現があります。

 それは、三人称で表現されているときと一人称で表現されているときです。「経営陣が」「上司が」「部下が」「隣の課が」「競合が」「お客様が」 「天気が」などなど、第三者に責任を転嫁した「三人称的」な表現が横行しているときは、物事は決してうまくいったためしがありません。うまくいかないどこ ろか、三人称的表現をする人は、人を批判・非難しながら、会議などにおいては「合意していないのに合意したふりをする」という組織を崩壊させる最も恐ろし い所業を行っています。

   以前、お世話になった会社は、入社当時すばらしい会社でした(今もそうですが)、新入社員当時、営業報告で「どうしましょうか」というような表現の 報告書を提出したら、ひどく怒られていました。「お前はどうしたいんだ」と。新入社員で経験も浅い私としては相談してから決めたかったのですが、「自分 は」「自分が」という自分の責任においての発言である「一人称訓練」を徹底して受けた記憶があります。当時は、仕事もわからず苦しくて仕方がありませんで したが、会社自体は非常に活性化しており、「今日は何が起きるんだろう」と毎日会社に行くのが楽しみでした。

 それが、ある頃から中央集権的になり、三人称的な表現が増えてきました。「本社が」「支店が」「隣の課が」「最近の新入社員は」「部下が」「上司 が」。収支的にもとても苦しい時代であったことは言うまでもありません。
 今、コンサルをしていてもそうです。サラリーマンを辞めた後、お世話になったメーカーもそうです。三人称では決して強くなれません。我を強くしろという のではありません。以前、このブログでも書きましたが、企業を強くする要因を二つだけ挙げろ、といわれたら、私は即座に「かかわり力」と「日々の小さな工 夫する力」と答えます。自分自身に責任がとれないと、つまり、一人称で表現できる人間ではないとこの二つは絶対に出来ません。

 かくいう私も経営者の端くれです。責任転嫁をしないように、日々自分を見つめ合わせていこうと、本日、また確認しました。

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このページは、宝徳 健が2006年2月26日 21:16に書いたブログ記事です。

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