どの本よりわかりやすいギリシャ神話

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  さて、前回は、神様の名前をご紹介しましたよね。その名前を思い出しながら、今回の話を読んでください。ひとりの貞淑な人妻女性がいました。名前をアルクメネといいます。全知全能の神ゼウスがこのアルクメネを見て、ちょっかいを出したくなりました。側近のヘルメスを呼んで、アルクメネと一夜を過ごしたいと言い出しました。

  ヘルメスはいさめますが、ゼウスが言うことを聞きません。ゼウスは以前にも人妻にちょっかいを出していました。名前をレダと言います。レダがお風呂に入っているときに、ゼウスは、白鳥に身を変えて近づきました。レダは、なんて美しい白鳥なんでしょう、と近づいてきました。その瞬間・・・。エッチですね~。

 このとき、ゼウスとレダの間にできた子供が、パリスが奪って、トロイア戦争の原因となったヘレネです。も~う、しょうがないですね~。一番偉い神様が戦争の火種をつくってるんですから。

 では、アルクメネの場合はどうでしょうか? アルクメネが愛している夫に身を変えて近づいたのです。夫が戦争に出ているときに、姿を変えて、アルクメネに近づきました。そうとは知らないアルクメネは当然、夫に姿を変えたゼウスに抱かれます。

 後日、つまり抱かれた後に(アルクメネはゼウスに抱かれたと思っていない)、ゼウスが夫に姿を変えて忍び込んでくるという情報をアルクメネは得ます。そこで、アルクメネは、レダに頼んで、自分に化けてもらうのです。ところがぎっちょん。今度は本当に夫が帰ってきてしまいレダを抱いてしまいます。なんともはや。

 ゼウスは、アルクメネと関係を結んだ、生まれてくる子がヘラクレスだと宣言します。ゼウスに抱かれたと信じていない貞淑なアルクメネは、この宣言を信じません。ゼウスがいくら言っても聞きません。

 とうとうゼウスは「この次に生まれてくるペルセウスの子孫が一族の支配者になる」と宣言しました。
実はアルクメネはペルセウスの孫娘なのです。ペルセウスとは、怪物メドゥサを退治したりしたたいへんな英雄です。しかし、この宣言はあいまいでした。ゼウスの浮気を怒った、ゼウスの妻ヘラは、アルクメネの出産を遅らせて、別のペルセウスのの子孫に子供を生ませてしまったのです。この子供をエウリュステウスと言います。本来は長となるはずのヘラクレスはこのエウリュステウスにいじめられます。

 そのことが嫌でたまらないヘラクレスは、神殿に行って、どうしたら、自由になれるかを聞きます。するとお告げで「エウリュステウスの命ずる仕事を10コ片付けたら自由が与えられる」とありました。

 これが有名なヘラクレスの大冒険です。年配の方は絵本などで読んだことがあると思います。
①ネメア地方の森に住む獅子の皮をはいでくること(人間の武器では殺せない獅子)。素手で絞め殺します。
②九つの頭をもつ水蛇ひゅうドラ。八つの頭は殺すことが出来ますが、真ん中の頭だけ不死です。悪戦苦闘の末、真ん中の頭を切り落とし、土の中に埋めて二度と地上に現れないように巨大な石をおいてきます。
③黄金の角を持つ女鹿ケリュネイアの生け捕り。このときにはヘラクレスは一年間走り続けてようやく捕まえます。
④エリュマントスの猪
⑤三千頭のいる家畜小屋を一日で掃除すること。川の堤防を切り、水を引き入れてきれいにします。
⑥青銅の翼と青銅の爪を持つ怪鳥の退治
⑦クレタの猛牛を捕らえること
⑧人間を食う、雌馬を捕らえること
⑨女人族(アマゾネス)の征服
⑩三つの胴、三つの頭、六本の腕、六本の足を持つ巨人ゲリュオンから牛を奪うこと。

ヘラクレスはようやく十の公卿を完了しました。でも、いじわるなエウリュステウスは、その中の二つを認めず、さらにいいつけます。

⑪夜の娘たちヘスペリスが魔性の龍と一緒に守っている黄金のりんごを奪うこと
⑫地獄に行って、冥府の番犬ケルベロスを生け捕りにすること。

 十二の苦行をなしとげたヘラクレスは、自由のみになり、ディアネイラという妻を迎えて幸せに暮らします。

 あるとき、ヘラクレスとディアネイラが旅行に行きました。大きな川があり、そこに川渡しの半人半馬がいました。川の真ん中まできたとき、ディアネイラを運んでいる半人半馬がディアネイラを犯そうとします。ヘラクレスは矢でその半人半馬を殺します。

 半人半馬は死ぬ間際にディアネイラに言いました。「申し訳ないことをしました。お詫びのしるしにいいことを教えましょう。私の傷からでる血を採っておいてください。この血はご主人の愛をつなぎとめる妙薬です。ご主人の下着に塗っておけばいいのです」

 じゃじゃ~ん。

 その後ヘラクレスはある戦いで、ひとつの城を攻め落としました。そして、イオレという娘を手に入れます。この娘は、以前、ヘラクレスが求婚した人だったのです。

 ヘラクレスがこの娘を寵愛するのを見たディアネイラは、猛烈な嫉妬を覚えます。そして、なんとなんと、半人半馬の血をヘラクレスのパンツに塗ったのです。半人半馬の言った言葉はうそで、これは世にも恐ろしい毒薬だったのです!!!

 妻から贈られたパンツ(本には下着としか書いていませんが、勝手にパンツと書いています)をはいたヘラクレスは、激しい痙攣に襲われ、おびただしい汗を流してのたうちまわって、苦しみました。脱ごうとしても脱げません。ついにヘラクレスは帰らぬ人となってしまったのです。じゃ~ん。

 事実を知らなかった、ディアネイラも自責の念にかられて自害しました。

 アルクメネはどうなったかって? ヘラクレスの死後、エウリュステウスはヘラクレス一族と戦い負けます。そのとき、女々しいエウリュステウスは「全部、ヘラの命ずるままにやったんだから、俺は悪くないよ~」って、言いました。アルクメネは「息子のヘラクレスが味わった苦労を思えば、あんたは許せないよ」と告げました。この後は、どこにも登場していません。

 結構ギリシャ神話面白いね。

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このページは、宝徳 健が2006年11月18日 13:07に書いたブログ記事です。

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