経営者必見!六韜三略:文韜

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  この六韜三略シリーズの後は、孫子の兵法を書こうと思っています。中国の古代は、覇権争いに社会全体が巻き込まれるつらい時代でした。そういうつらい時代 だからこそ、生きる知恵が出てくるのでしょう。裕福な時代に生まれた私たちは、工夫をしなくても生きています。負けても生きていけます。心が豊かになって いません。
 比較にはなりませんが、私の子供の頃は、今の日本よりかなり貧しかったことを覚えています。でも、暖かさや心の勇気、子供たちの遊ぶ工夫などはもっとあったような気がします。ほんとうに裕福なことがいいのかどうかはわかりません。
 さて、今日の六韜三略は、明伝篇といって、後継者に伝えるポイントです。文王は、志半ば病に倒れ殷王朝打倒がかないません。その意志を息子の武王が継ぎ ます。文王が病に倒れたときに、太公望の口を借りて、武王にトップの心構えを教えようとしたシーンです。口語で書きますが、最後の方に口語で書いているも のは文語では「善を見て怠り、時至りて疑い、を知りて処(お)る」です。戒めにしたいものです。
文王(以下、文)「私の寿命もここまでかもしれない。これ発(のちの武王)よ、やがてそなたがこの国を継ぐことになろう。そこでこのさい、太公望からすばらしい教えを聞いて、それを子孫に伝えたいと思う」
太公望(以下、太)「どのようなことをお聞きになりたいですか」
文「聖人の道は、廃れるときもあれば栄えるときもある。そのわけを教えて欲しい」
太「良いことだとわかっていても実行せず、好機が来ても決断をためらい、悪いことだと知りながら改めようとしない。道が廃れた理由はこれでございます。ま た、柔軟に対応しながら妄動しない。相手に対する敬意を忘れず謙虚に振舞う。強さをひけらかさず相手の下手にでる。辛抱強く対応しながら、ここぞというと きには断固やりぬく。道が栄えた理由は、これございます。
 欲望に打ち勝って、正しい道を貫けば栄えますが、欲望の方が勝ちますと滅びてしまうのです。また、相手をうやまう心が相手をあなどる心に打ち勝ちますと栄えますが、逆に、あなどる心が勝ちますと滅びてしまうのです。」

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このページは、宝徳 健が2006年12月30日 07:33に書いたブログ記事です。

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