どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 上野国(こうづけのくに)の管領、定正のところに、一人の男が銘刀村雨丸を持ってきたところまででした。

仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠:犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶんご) 行徳の旅籠屋の息子
 そうです、この男は、浜路の実の兄、犬山道節なのです。

 定正が、「早よう、その刀を見せい」と言いました。

 道節は、「それでは」と言いながら、定正に近づきました。そして、刀を進上するふりをして、定正の胸に、村雨丸をつきたてたのです。

「管領定正、確かに聞け。俺は去年四月、池袋の戦いで汝のために一族を全滅させられた練馬家の老臣、犬山道策の一人息子、犬山道節とはおれのこと。一族の仇を、怨みを、受けよ」

 とばかりに、定正の首をかき切りました。

 そのとき、定正の家来が叫びました。

「おろかなり、犬山道節。管領がどうして汝ごときに討たれようか。今間違って命を落としたのは、替え玉である。昨年から、修験者に姿をやつして愚民を惑わし、銭を集めて軍資金を稼いでいると知って、替え玉を用意していたのよ。まんまと騙された愚か者よ。さっさと降伏せい」

 さあ、兵がどっと押し寄せます。犬山道節は歯噛みして悔しがりましたが、きる抜けるしかありません。追いすがる敵を切り倒しながら、夜の道を走りました。

 道節、ピンチ!!! さあ、どうなるのでしょう。つづく。

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このページは、宝徳 健が2010年3月 3日 02:58に書いたブログ記事です。

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