和歌

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 万葉集、大伴家持の歌を紹介します。

 あしひきの 山も近きを ほとどぎす 月日たつまで 何か来(き)鳴かぬ
「山も近いのに、ほととぎすよ、四月になるまでどうして来て鳴かないのか」

古代中国の考え方に「ほととぎすは立夏(3月20日前後)に来て鳴くもの」という考え方があります。それを詠んだ歌ですね。


 では、拙首です。

 今まさに 咲き誇らんと 待つ桜 つぼみのなかに その意志をみゆ

 学生時代の友人が下の句をしかけてきました。彼が僕に送った上の句が

 花弁(はなびら)と みまごうばかりの 春の雪 です。この下の句をつくれということでした。

 上の句をちょっといじって下の句をつくりました。

  花弁か みまごうばかりの なごり雪に ふと思ひだす 愛しあの人


なごり雪って 物事の最後、終わりを意味するんだそうです。また、人と別れるときに思いきれない気持ちが残ることもいうそうです。なごりおしさですね。ある 事柄が過ぎ去ったあとに、その気配や影響が残っているときに使う美しい日本語です。 昔の恋を思い出してみました。


イルカのなごり雪

汽車を待つ君の横で
ぼくは時計を気にしている
季節 外れの雪が降っている
「東京で見る雪はこれが最後ね」と
さみしそうに君がつぶやく
なごり雪も降る時を知り
ふざけすぎた季節のあとで
今 春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった

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このページは、宝徳 健が2010年3月30日 07:27に書いたブログ記事です。

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