どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 茶店の親父の話が続きます。

仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 角太郎と雛衣(ひなぎぬ)が結婚したところまででした。

「二人は、仲睦まじく父母に孝行を尽くしたけれど、養父母とも、一、二年のうちに相次いで亡くなったのじゃ。一方、角太郎の実の父親は、またまた後妻が死んでしまってのう、その後、何人かの妾を抱えたけど、どれも尻が落ち着かず幾人もとりかえたんじゃ。でものう、一昨年の秋ごろ、武蔵野方から流れてきた船虫という妾だけはずいぶん気に入ってしまって本妻にまでしてしもうたんじゃ。

 角太郎の父親と船虫は犬村家にたくさんの遺産があるという噂を耳にしてのう。角太郎夫婦と一緒に住むことにしたんじゃ。欲が深いのう。なのに、夫婦も前の妻の子も、角太郎のことを馬鹿にして相手にせんのじゃ。

 ところが雛衣が身重にあるとのお、なんと、その腹の子は角太郎の父親との子じゃないかと、あらぬ疑いをかけてしまったのじゃ。角太郎はやむなく離縁状を渡して雛衣と別れたのじゃ。

 おらがこういう事情をしっているのは、角太郎の父親が一番のお得意さんじゃったからじゃ。角太郎の父親は、獣肉を好んで食べて、おらがとった獲物はみんな角太郎の父親に買ってもらっておったのじゃ。

 おや、こんな話をしているうちに、日が暮れてきたわい。これからでかけてはいけねぇ。今夜はぜひ、うちにお泊りなせえ」

 ふ~、本文はもっと長いのです。縮めたぞー。どうだ!馬琴!

 船虫が出てきましたね。なんだか妖しい成り行きに。

 えっ、現八はどうしたかって?

 茶店の親父が泊まっていけというのを振り切って、弓矢だけ買って、出かけて行きました。どうなるのでしょうか。

 この茶店の親父の話がなぜ面白いかって? へっへっへ~。これが意外な展開をするのです。期待してください。

つづく。

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このページは、宝徳 健が2010年4月10日 03:47に書いたブログ記事です。

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