カウンセリングの技法

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 カウンセリングには三段階がありました。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 ②の「問題の核心をつかむ」を勉強しています。今日から問題の核心をつかむための「質問」を一緒に勉強しましょう。

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」を勉強しました。

 カウンセリングでは質問することを「リード」するといいます。良い言葉ですね。とかく、私たち、経営者リーダーは、自分の意見を押し付けることがリードと考えがちですが、そうでなはいのですね。ピッチャーではなくキャッチャーがリード役です。

 さた、相手を助けるためには、質問をして必要な情報を手にいる必要があります。質問しないで受身的に聴くだけでは、相手はもの足りないことがあります。また、質問されるということは、それだけ関心をもたれているというふうに感じるものです。また、きかえたら答えるつもりだったのに、きいてくれなかったので話す機会がなかったということもあります。質問魔は相手が追い詰められる感じになるからよくありませんが、まったく質問のない会話は突込みがたりない表面的な会話になってしまいます。

 さて、質問の仕方ですが、まず相手がイエス、ノーで答えられないような聴き方がよいでしょう。これを、「開かれた質問:オープンクエスチョン」といいます。
 
 「結婚していますか」「授業は面白いですか」「定年まで勤めるつもりですか」という問いはいずれも「ハイ、イイエ」でしか答えられません。答えるほうは尋問を受けている感じになります。答える方にすれば言葉を選んで答える余裕が残されている方が、追い詰められる感じがしないですみます。

 たとえば「結婚のほうは・・・」と聴けば「したいけれど相手が・・・」「実際は結婚しているようなものなのですが・・・」などと言葉の自由選択ができます。それだけゆとりがあります。

 さらにこういう利点もあります。つまり情報収集の量が多いので、それだけ詳しくクライエントを理解することができます。「ハイ、イイエ」で答えられたのでは、詳しい事情がつかめません。

 「ハイ、イイエ」で答えられない聴き方がよい第三の理由は、人間にはアンビバレンス(愛と憎しみのような相反する感情が同時に存在すること)があるからです。愛と憎しみ、信頼感と不信感、結婚したい気持ちとしたくない気持ち、会社を辞めたい気持ちと辞めたくない気持ちなどです。

 ですから、「ハイ、イイエ」で答えさせようとすると無理があります。「ご主人を愛していますか」と問えば「ハイ」か「イイエ」に感情を無理にわけざるを得ません。

 ところが「ご主人に対してはどんな気持ちですか」と問うと「酒に酔いつぶれている姿を見るとひと思いに殺したくなりますが、寝顔をみるとかわいそうな人だなあって思って・・・」と感情の全体像を語りやすくなります。アンビバレンスの様子がよくわかります。

 本日はオープンクエシュチョンについて勉強しました。やってみてください。

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このページは、宝徳 健が2010年9月26日 08:41に書いたブログ記事です。

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