カウンセリングの技法

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。
 カウンセリングには三段階がありました。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。

 これがカウンセリングの基本体系です。頭においておくと役に立ちます。前回から、面接初期の留意事項を勉強しています。

 今回は、面接初期に回避すべき事です。

 

 面接初期には特にリレーションが大切なので、以下のことに留意する必要があります。

①議論
 論理療法という心理学では初めから議論を挑んでいくのですが、私たち素人にはちょっと難易度が高いように思います。議論は人を防御的にするからであり、会話が知性化するからです。カウンセリングで大切な感情表現が乏しくなるからです。

 たとえば、私はよくこういう質問を受けます。「人間の性格って変わるのですか?」「あの人にこういったのですが、あの人は反対しました。先生はどう思いますか?」「カウンセリングってほんとうにきくのですか?」

 これらはいずれも考えるに値するテーマです。でも、実証して相手を納得させても何の解決にもならないテーマである事も事実です。推論や解釈を必要とするから議論にきりがありません。
 知的な問題を提起する事によって、自分の問題からは回避したい、あるいはカウンセラーの肉迫をそらせたい・・・こんな無意識願望から議論を吹っかけてくる人が多いのです。

②称賛
 面接初期には、クリエントの言動を誉めないほうが得策です。ほめるということは、カウンセラーの好み・価値観・期待を明らかにする事なので、クライエントが無理をしてカウンセラーに合わせようとします。すなわち、クライエントの自己表現を方向付けてしまう危険性があります。表現の自由、試行錯誤の自由を奪ってしまいます。

 たくさん書くと分からなくなるので、今日はこの二つにしておきます。

 戦後の誤った教育から、1億総クライエント(もちろん私も)と言ってもおかしくない状況になっています。自分のことは、自分を律していくことが必要です。でも、最近の企業現場では、信じられないくらいまともな会話ができなくなっているのも事実です。

 先日新幹線に乗っていたら、小学校の修学旅行の児童たちと同じ車両になりました。大騒ぎしても、教師は注意しません。これが日教組の言う個性教育なのでしょうか?自分さえ良ければ他人はどうでもいい。この病的な考え方を企業現場で治していかざるを得ないのは、なんとも切ない事です。
 「自分が生活をしていければそれでいいんだ」・・・・・。その生活は誰がさせてくれているのでしょうか?

 でも、古代支那の優れたリーダー達は、それを乗り越えてきたのですものね。古代支那では、民衆はもっとひどいレベルだったでしょうから。

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このページは、宝徳 健が2010年11月 6日 00:09に書いたブログ記事です。

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