不安との付き合い方

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。

 不安がどこから来るか、という原因の二つ目不安には一理ある」を一緒に学習しています。前回の続きです。

 なんか知らないけど、結構、このシリーズの反響が高いのです。心理学シリーズはだいたい高くなりますね。私たちコンサルタントにとって、コンサルで活用するということではなく、心理学というものは大変役に立ちます。
【不安はすべて思い通りになるような錯覚を起こさせる】
 心配性の人は、「何でもコントロールしたがる人」と言われることがあります。物事が自分の思い通りにならないと不安になるからです。心配性の人は、あらゆる最悪の事態を想定し、その解決策を考えることによって、これから起こることをコントロールしようとします。「物事が間違った方向に進む原因は何か。それが起こらないようにするにはどうすべきか」と考えるからです。そうして、事態が深刻になる(大惨事になる)前に問題を解決しようとするからです。

 心配性の人は、物事が自分の思い通りにいかないと、不安になることでなんとかしようとします。そして、「これからどうなってしまうのか?」「どうしたら収拾できるだろう?」ということばかり考えます。人は、危険を察知すると状況を変えようとします。たとえば犬が苦手な場合、歩道で見かけたらよけることで事態を変えた気になってしまいます。潔癖症の人は、三十回ほど手を洗えば清潔になった気がします。人はそうやって事態を収拾する方法を探します。このような行動は自分に安心感を与えるため、「安全行動」と呼ばれます。

 実際に人は、いろいろな場面で不安を活用しています。つまり、悪いことが起こる前に不安を感じ、その悪いことが実際に起こらなかったら、「心配したおかげで防ぐことができた」と考えてしまうのです。

 もし、心配していた悪いことが起きなかったら、もう心配するのは一切やめて、気楽に構えた方がいいと思いませんか? ところが、自分の脳がこう叫びます。

「〇〇(あなたの名前を入れて読んでみてください)、情報を整理してよく考えてみなよ。お前は、試験のことやバスのこと、異性のこと、いろんなことをずっと心配してきたろう? そのおかげで、試験には落ちなかったり、パスにもひかれなかったり、異性に振られなかったんだよ。これって、不安が役に立ったことだろう? 心配した悪いことは何一つ起きなかったじゃないか。不安のおかげじゃないか。さあ、もっと不安になろう」

 心理学者はこれを「幻相関(げんそうかん)」と呼びます。

 二つのことが同時に起きた時に、全然関係ないのに、裏読みをして、わざとこれを関連付けるという思考パターンです。信号が青になったから前に進むんだというような当たり前に関係していることと同様、自分の心を納得し、もっと不安と友達になるために、無理に、二つを結びつけ、不安に思い、実は、自分の心を落ち着かせているのです。

 「あ~、きっと私がこうしたから、これがああなったんだ」と。

 毎朝あなたが起きて十五分後に太陽が昇るとします。この場合あなたが原因で太陽が昇ったと、そこまで、あなたは考えるのですか?

 心配性の人とは、一種のうぬぼれ屋さんかもしれませんね(笑)。

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このページは、宝徳 健が2012年1月24日 07:08に書いたブログ記事です。

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