不安との付き合い方

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納さています。

 このシリーズは「論理療法」という心理学に基づいて書いています。論理療法 は、しっかりとやれば自分を変えることができます。でも、いきなり「変える手法」から取り組んで失敗するケースが多々あります。だから、この「不安」とい うものの正体が何かということをじっくりと書いています。

 「人はなぜ不安になるのか」というパートの「不安に対する最悪な対応」という章を現在は解説しています。

 そのなかの心配性の人が取り組んでしまう「まったく効果のない12の方法」の第2番目の方法です。つづきです。
 人は、妄想や不安をいつまでも抱えていては生きていられません。思考停止は、その概念に基づいています。そのようは思考は、有害で理性を失わせることになる、という心配性の人の考え方にも合っています。でも、思考は除去できないし、記憶も消せないため、思考の反発が起きます。記憶が消せないだけでなく、思考を押さえ込もうとするあまり、その思考が気になって仕方がなくなります。つまり、実際には抑圧しようとしている思考を、自ら探してしまうのです。さらに悪いのは、抑圧しようとしているその思考は、自分にとって危険なものだと、心配性の人は言い聞かせている点です。つまり、再びその思考が戻ってきたとき、かえって意識してしまうのです。

 心配性の人の傾向は、瞬時にパラダイムを強く形成してしまうところにあります。パラダイムとは、「既成概念」です。ある経験をしたとき、その経験がいつまでも自分の心の中に残ることです。

 心配性の人は、一度いやな経験をすると、それを二度としようとはしなくなります。また、自分の思いと違う行為を一度体験すると、そのことも、もう二度としようとはしなくなります。

 ある人に、いやなことを言われました。するともう「この人は、自分のことを嫌っている」と思い込みます。その後、その人がどんなによく接してくれても、この感情が解けることがありません。

 初めて食べた食べ物が、たまたま、料理方法とか素材が悪いとします。そうすると、心配性の人は、「この食べ物はまずい」と決め付けて、その後、どんなにおいしく出てきても、「まずい」というパラダイムから抜け出ることができません。食べません。

 こういう、マイナスのパラダイムのことを、論理療法では「イラショナル・ビリーフ(非合理的信念)」と言います。

 強くイラショナル・ビリーフを形成する心配性の人に「思考停止」などと言おうものなら、それの何百倍もの大きさとスピードで「思考の反発」がおきて、かえって心配性を加速することになります。

 結局、人間が成長しようと思ったら、この「イラショナル・ビリーフ」から自分を開放するしかありません。でも、心配性から抜け出したいと思っていても、結構心配することで(深層心理で)安心している心配性の人は、抜け出すことをしようとしません。そして、一生、心配性でいることが多くなります。 

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このページは、宝徳 健が2012年2月26日 07:41に書いたブログ記事です。

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