不安との付き合い方

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 「不安に対する最悪な対応」の「まったく効果のない12の方法」の中の最後の二つです。
【心配症の人は確実さを求める】
 今、すべてを確実にしておけば不安が軽くなると心配性の人は思っています。でも、それが心配性の人の不安をさらにあおっています。だって「この世に確実なものなどない」からです。それでも、はっきりさせなければならないと考え、確信が得られるまで心配し続けます。これなら確実だという気がしても、もっと完璧な解決策はないか考えます。考えれば考えるほど、その解決策は完璧でも確実でもないように思えます。ますます不安になります。
 確実さを求めることによって、必ず手に入るものがひとつだけあります。それは

さらなる不安

です。不確実なことを許容しながら生きる度量が現実を生きるということです。こういうと、心配性の人は反発します。そしてますます不安を高めていきます。

【「異常な」想像をしないようにする】
 異常なことを考えたときは、ほとんどの人が不安になるでしょう。ぞっとするようなこと、違法なこと、暴力的なこと・・・。このようなことを考えると、人は、三段階を経て不安になります。

①これは自分が理性を失い頭がおかしくなる前兆だ

②そんなことを考えた自分を恥ずかしく思い罪悪感を感じる

③一刻も早くこんな考えを振り払わなければと思う

 心配性の人は、自分の思考や衝動は、何か悪いことが起こる前兆だと考えます。たとえば、パニック障害の人の場合、パニック発作を起こすかもしれないと思っただけで、本当に発作が起きるのではないかと恐れています。

 強迫神経症の人は、自分が理性を失いそうな予感がしたら、何か凶暴なことや悪いことをしてしまうと思い込んでいます。

 心配性の人は、自分の思考がそのまま行動に移ると思い込んでしまっています。これを「思考と行動の融合」といいます。 つまり、他の人が先ほどの三段階の思考をするのに対して、心配性の人は「まともじゃない」想像をすることに異常に恐怖を感じます。

 実際には思ったからって行動に移るなんてことはほとんどあり得ません。でも、心配性の人は強迫観念にかられます。

 そして、ますます、不安になります。

 さて、不安に対する最悪な対応を見てきました。何が言いたいかというと、不安症の人に、これらのアドバイスをしてはならないということです。心配性の人も、自分でもこういう行動をとっても、かえって不安を増すだけだということです。次回から「自分の不安の特徴を知る」を解説します。

 では、全く効果のない12の方法をまとめておきます

1.安心させてもらいたがる
2.思考を停止しようとする
3.情報を集める
4.何度もチェックする
5.不安の原因になることをしない
6.アルコールやドラッグ、食べ物で感覚を麻痺させる
7.過剰な準備をする
8.安全行動をとる
9.いつも良い印象を与えようとする
10.何度もじっくり考える
11.確実さを求める
12.「異常な」想像をしないようにする

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このページは、宝徳 健が2012年3月11日 04:43に書いたブログ記事です。

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