東大寺法華堂の秘密 上

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 2月26日(日)の日本経済新聞 文化芸術欄に掲載された「東大寺法華堂の秘密 上」を忘れないように書き留めています。

 奈良東大寺法華堂は、今、「法華堂須弥壇および尊像修理事業」中です。不空羂索観音菩薩立像と日光・月光菩薩像は、修復を終えて、近くの東大寺ミュージアムに仮設置されているそうです。すると、今まで、法華堂にあったときと比べ、次々と新たな発見があるそうです。

 行きたいな~。仕事ではあちこち行くけれど、しばらく旅に出ていません。神社仏閣や美術館をゆっくりとまわりたい。
 前回の続きを書きます。

 法華堂においては、不空羂索観音菩薩立像は、十五体もの仏を従えていますが、今は、東大寺ミュージアムで、日光・月光菩薩像が両脇にいるだけです(4月25日のこのブログの記事をご覧ください)。

 いつもと違う感覚だそうです。ものすごい威圧感があるそうです。記事ではこれを「仏像力」と呼んでいます。「不空羂索観音菩薩立像の新たなありさまを見られるという、千載一遇のチャンスに巡りあえたことに、えも言えぬありがたさを感じる」とも記事に書いてあります。

 もうひとつ、不空羂索観音菩薩立像の上半身と下半身のバランスのことで気づいたことがあるそうです。距離を置いて不空羂索観音菩薩立像を眺めると6対4で上半身が大きいように見えるそうです。ところが、不空羂索観音菩薩立像の真下にたたずんでみると五分五分に変化して、しっくりと調和して見え、威圧感がいや増しているそうです。

 行きたいな~。大阪事務所から来るまで40分ぐらい。行こうかな~。

 拙首です。

千年の 時を刻んだ 御仏が 今に伝える 時の思いを

 正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。

朝風に 若菜売る児の 声すなり 朱雀の柳 眉いそぐらむ
 
 この歌は、十首中にては、一番いい。しかし、全体が面白いけれど、「眉いそぐらむ」のはあまりいただけない。眉いそぐという表現は、昔からあるかどうか知らないけれど、何だか変な感じがする上に、ここにこの擬人的形容を用いるのはよろしくない。あるいは、若菜を売る子どもに対して、柳眉というのもそうだが、そのようなシャレのない方がかえって趣が深くなる。

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このページは、宝徳 健が2012年5月 2日 03:00に書いたブログ記事です。

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