メディアと官僚と政治家に騙されない経済学

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 もし、金融機関が日本国債を買わなくなったらどうするかというところまででした。
 金融機関は預金者から集まった大量の預金を安心して投資できる先が国内にないからやむなく国債を購入しています。金融機関が国債をかわなくてすむ別の投資先ができたらそれは喜ばしいことではないですか。

 えっ? 国民が預金を取り崩しているから国債を買ったり投資をしたりできなくなるのではないかって?こうお考えの人は、メディアに騙されている人です。1997年から2011年までで金融機関の総預金額は、444.3兆円から、584.4兆円と実に、約140兆円増えています。メディアに騙されないようにしてください。

 一方で貸出金額は、486.3兆円から421.5兆円と約75兆円減少しています。これが問題なのです。今の日本は、お金がだっぶだぶに余っていて、使いようがないから不況なんです。これをデフレギャップと言います。

 ここで少し考えましょう。預金が140兆円増えて、貸し出しが75兆円減少したので、その差は200兆円以上になります。このお金は、もう必要ないからと、政府に買い戻してもらったとしましょう。すると、メディアが言っている「国の借金(実は政府の借金)1000兆円」は、800兆円に減ります。

 みなさんが預けているお金には、金融機関が国債で運用して得た利益でかろうじて利子が付きますが、政府に返してしまったら、この利子もつきません。つまり、今、デフレっギャップのこの時点で、政府が国債発行を抑制したら、みなさんの預金は、金利が付くどころかマイナス金利になる可能性すらあることを意味しています。

 だって、政府の借金=国民の資産なんですから。

 銀行だって、利子収入がないとやっていけません。ほんの少しだけれど、スズメの涙のような利子が付いています。つまり、政府が国債を発行して金融機関を養っているといっても過言ではありません。日本の長期国債の金利が安い理由がここにあります。

 くれぐれもメディアには騙されないようにしましょう。

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このページは、宝徳 健が2012年12月 6日 15:43に書いたブログ記事です。

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