どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 中盤に入ります。「絵合(えあわせ)」の章です。

 故六条の御息所の娘が入内したことは以前申し上げました。藤壺の意向も強く働きました。

 前帝も、この娘にご執心だったので、前帝はがっかりきます。

 別れ路(じ)に 添へし小櫛(おぐし)を かごとにて はるけき中と神や諫めし
(別れるしるしの小櫛を口実にして、近しくなれない中と神が定められたのでしょうか)

 この六条の御息所の娘は、とてもよくできた人でした。でも、出来過ぎていて、帝は息苦しくなり、最初は別の女御になじんでいました。でも、絵心に優れる、六条の御息所の娘に、時を経るにつれて心が移っていきました。

 面白くないのが、なじんでいた女御の父親です。それならばと、当代一の絵師を招いて、美しい絵物語を作らせて、帝の歓心を得ようとします。光源氏は大人げないことだと苦笑しながらも、捨ててはおけず、紫の上と美しい絵を選びながら、六条の御息所の娘に送ったりしていました。

 この父親と光源氏は、今や宮中を二分する勢力でしたから、政治的な張り合いの意味もありました。二人の娘のどちらが中宮となるかは両家にとって大変な問題でした。つづく

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このページは、宝徳 健が2012年12月16日 10:12に書いたブログ記事です。

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