メディアと官僚と政治家に騙されない経済学

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 昨日もNHKで国債の番組をやっていましたね。腹が立つのでもう観ませんでした。どこまで国民を愚ろうしたら気がすむのでしょうか。

 円高になると、経済界とメディアから一斉に為替介入をいつするのかという大合唱が起こります。これほど愚かなことは他になかなかありません。
 例えば、民主党政権時(おっと、まだ今日は民主党政権時か:汗)、財務大臣の安住が為替介入を行いました。このときき、七十五円六十三銭で介入を指示し七十八円二十銭で止めました。

 約九兆円使いました。

 メディアも官僚も政治家も、国の借金、国の借金と政府の借金と言葉を取り違えていたとしても、これ以上借金を増やすなと大騒ぎするくせに、九兆円も借金を新たに作っても平気の平左です。

 こんな金を使うなら、それこそ、震災復興に使ったり中小企業支援に使った方がよほど効果的です。先日申し上げた政府短期証券の117兆円というのは過去40年にわたる為替介入の結果です。

 後日申しあげますが、アメリカは、自国に金を集めるために、為替を誘導して、結果的に円高になるように仕向けます。つまり、日本の国の金を40年かかって117兆円日本から召し上げたことです。逆に言うと、日本は為替介入を117兆円積み上げて、結局何の効果もなかったということです。

 実は、内国債の増え方よりも、政府短期証券の増え方の方が大きいのです。1990年代は40兆円程度しかありませんでした。10年あまりで80兆円増えてしまいました。アメリカに大儲けをさせた小泉政権の時にぐんと増えました。

 117兆円って、一年間の国家予算よりはるかに大きい金額なんですよ。

 この事実を知っても、あなたは為替介入を支持しますか? メディアや官僚や政治家が為替介入の大合唱をしたとき、賛同しますか? 国家予算より大きな金額を奪われながら。 

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このページは、宝徳 健が2012年12月24日 09:04に書いたブログ記事です。

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