どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 支那人で論語を詠めない人が増えているそうです。笑えないですよね。日本人で源氏物語が読めない人が増えているのですから。

 でも、今の学校教育では仕方がないと思います。日本語より英語が大切ですし、国語の時間に古典を教えません。歴史の否定教育ですね。だから、源氏物語を読むとあの膨大な人の名前と和歌に阻まれて途中で止まってしまいます。

 このシリーズは、それを打破するために書いています。まずはあらすじを知ってください。登場人物は5分の1ぐらいにしています。和歌は10分の1ぐらいです。
 今日から槿(あさがお)の章です。

 十数年前、光源氏が露を含んだ朝顔の花に添えて歌を贈った女性がいました。いろいろ障害があって、それ以上近づくことが出来なかったのですが、この時期、その障害がなくなり、この女性はひっそりと暮らしていました。光源氏の手の届くところに来たのです。

 藤壺を亡くして意気消沈していた光源氏ですが、この事実を知って、心が妖しく掻き立てられます。なんちゅうやっちゃ~。

 光源氏は、あることにことよせて、その女性の元を訪れます。

 光源氏は必死にくどきます。でも、若い時でさえ、源氏の求愛をさりげなくかわした女性です。今更、なびこうともしません。求愛に失敗した光源氏は、後ろ髪をひかれながら帰っていきました。

 光源氏は、昔から、かなわぬ恋にこそ燃える癖があるので、二条の院に帰ってからも眠ることが出来ません。眠られぬまま朝を迎えました。格子をあげると、庭に、はかなげに朝顔が咲いていました、光源氏は、その一輪を折ると、歌を詠みました。

見しおりの 露忘られぬ 朝顔の 花の盛りは 過ぎやしぬらむ
(昔見た折りの面影の忘れられぬ朝がおも、花盛りは過ぎたのであろうか)

 その歌をくだんの女性に贈りました。女性からの返歌です。

秋果てて 露のまがきに むぼほれ あるかなきかに うつる朝顔
(秋の末、まがきに咲き残る朝顔のように、あるかなきかのはかない私です)

 さああああああああ、大変。この光源氏の心の動きを紫の上が気づかないわけがありません。これまでも光源氏の浮気は容認していましたが、今度の場合、かなりやんごとなきくらいの女性です。自分の妻の座もゆらぎかねません。どうなるのでしょうか? つづく

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このページは、宝徳 健が2013年1月 7日 06:37に書いたブログ記事です。

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