メディアと官僚と政治家と欧州に騙されない経済学

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 メディアが安倍政権を「安全運転」と皮肉っています。何か攻撃材料が出てこないかとかなりメディアは焦っているのですね。攻撃をさせない安倍さんうまい! 安全運転結構。民主党の暴走運転よりもよほどましです。

 支那も焦っています。新書などは送っていますが安倍さんは支那を現時点でまったく無視しています。でも、セキュリティ・ダイアモンドを発表したり、印度や東南アジアを歴訪したりして包囲網を敷きつつあります。うまい! 外交・防衛・教育・経済等国家マターについてこれほど戦略的であり、これほどバランスが取れている人は、今は安倍さんだけでしょう。

 なのに、騒ぎ始めた保守系がいます。靖国問題がどうのこうの、竹島問題がどうのこうの、憲法改正がどうのこうの・・・。そういう「戦術」ではなく「戦略」が國家運営には必要です。安倍さんはちゃんとわかっています。國益をかけて政治家が戦っている時に國民が騒ぐと他国を利するだけですし、政治家は育ちません。

 さて、ドイツが吠えています。
 日本の円安は安全保障問題だとか。よく言いますね。ギリシャ問題を解決せずに、ユーロ安(円高)を放置したくせに。あの時、日本がユーロに対して「安全保障問題だ」と言いましたか? 

 知り合いの外車ディーラーは、ちょっと経営が苦しかったのですが、ユーロ安で一気に黒字化しました。ドイツの車(どことは言いませんが)がよく売れました。

 ユーロは、①ギリシャがユーロから離脱する、②ドイツが助ける、の二つの選択肢がありました。解決のための難しい方程式はありませんでした。なのにどちらも選択しませんでした。

 表面的には、「働き者のドイツ人が、怠け者のギリシャ人をなぜ助けなければならないのか」とかいろいろ言われていました。政治・外交とはこういうものです、本当のことを言いません。そして相手を悪者にし、相手のボールを投げます。つまり、相手に課題問題点を押し付けます。日本の政治・外交はこれが下手です。というか、こういうことをやろうとすると、メディアが騒いで邪魔をして、國民がそれに騙されます。政治と外交には必ず表と裏があることを國民はもっと知る必要があります。

 国際政治・外交は常に「兵は詭道なり(戦いは騙しあいである)」です。

 ドイツは、ギリシャ危機の間に、失業率を著しく低下させました。

 ドイツは対GDP比で輸出が占める割合が30%と先進国の中ではずばぬけて高くなっています。日本は輸出/GDPは、13%程度です。純輸出(輸出-輸入)/GDP(純輸出比率)は、なんと1.3%程度です。

 日本は自立型経済です。なのに、東北地方・太平洋沖地震などの影響で、貿易収支が赤字になった途端、「貿易立国の日本にとって大変なことだ」とメディアが騒ぎます。メディアがいかに不勉強かがわかります。彼らはもし知っていたとしても、自分の都合や思い込みに合わない限り嘘を書きます。

 話を戻します。ギリシャ危機で最も得をするのはドイツだったのです。これが政治・外交における國益というものです。軍事力を用いて戦わなくても、政治・外交と云う物はいつも戦争です。

 2011年のドイツのGDPは前年比3.0%増でした。他の先進国やライバルフランスが頭打ちしている中、ドイツだけが突出しました。ドイツはユーロ安が大好きなのです。だから円安政策をとる日本を責めます。

 では、ギリシャはなぜユーロを離脱しなかったのか。つづく

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このページは、宝徳 健が2013年2月 2日 03:56に書いたブログ記事です。

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