百人一首 參十

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有明の つれなく見へし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし

 百人一首でダントツに上手な歌と云われています。
 作者は壬生忠岑(みぶのただみね)です。

 位は高くないのですが、和歌のうまさから醍醐天皇に氣にいられ、内裏の殿上の間にのぼることを求められました。參十六歌仙の壱人です。

「ひややかなそぶりの明け方の月が、空にかかっていたあの別れ。それ以来、私にとって暁ほどつらく思われるものはありません」

 女性への歌です。日暮れの後に女性のもとを訪れた男性は、壱夜をともにした後、日の出より前に女性のもとを去ります。歸り道に空を見上げれば冷ややかなそぶりを見せる有明(明け方の月)が空に浮かんでいます。男女の別れの時間です。「つれなし」とはよそよそしいという意味ですが、月がつれないのか、女性がつれなかったのか、意見が分かれています。なんにしても、切ない歌です。

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このページは、宝徳 健が2014年3月18日 09:53に書いたブログ記事です。

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