百人一首 參十六

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 これも粋な歌です。

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
 清原深養父(きよはらのふかやぶ)の歌です。

「夏の夜は短くて、まだ宵のくちと思つているうちに明けてしまつたのに、沈む暇もないだろう月は、雲のどこに隠れているのだろうか」

 作者は、清少納言の曽祖父です。

 和歌でよく歌はれるのは、秋の月です。秋の夜長と一緒に歌われることが多い。この歌は夏の夜の短さを歌ふ珍しいパターンです。この歌はもともと古今集に納められています。詞書に「月のおもしろかりける夜、あかつきがためによめる」とあります。月が風流な夜のまだ暗い午前三時ごろに詠まれたものでせう。

 平安貴族の夜は、月を眺めるか、和歌を詠むか、女性のもとに通ふかです。風流ですね。平和でよい時代だつたことがわかります。

失ひし 國柄をまた 思ひだし 取り戻すこと 切に願はん

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このページは、宝徳 健が2014年3月29日 07:53に書いたブログ記事です。

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