4月のマネジメントレター

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   先月も掲載しましたが、創業以来、給料日に、毎月社員に書いている手紙の4月号です。ちょっと、恥ずかしいのですが、自分から逃げないためにオープンにします。社員の名前は掲載しません。
                                                                                                                                 平成19年3月21日
みなさんへ(○ちゃん、○○ちゃん、○○さん)
                                                         ボス

                    労働と仕事の違い(4月の手紙です) 

 期末ですね(この手紙を書いているときは)。みなさん、この一年間、ほんとうにありがとうございます。感謝申し上げます。やっと、まともな決算が 組めそうですね。それでも、僕の読みの甘さから、あぶなかった。お詫びします。みんなに支えられて会社があります。決算期が重ねられることほど、経営者と してうれしいことはありません。

 ○○ちゃん、何も言わないのに、しっかりと決算準備をしてくれてとても感謝しています。このような、ディフェンスの仕事がきっちりとできると、と ても助かります。2年間で、大きく成長してくれたことに感謝してもしきれません。せっかくここまで、いろいろなことができるようになったのだから、知識を 深めるために、勉強してください。深めてみてください。前にも言ったけど、知識とは、物事を知ること。見識とは、知識が使えること。つまり、「わかる」か ら「できる」に成長することです。知行合一とも言います。見識の次は、胆職です。胆職とは、自分が成長することで、周りの人に良い影響を与えること。最後 が喜職です。自分が成長することで、周りの人が幸せになることです。我が社は、ただ、勉強するのではなく、みんなで喜職をめざしましょう。来年度もどんど ん成長してください。期待しています。

 ○ちゃん、いよいよ独立だね。卒業おめでとう。イントラでしょちゅう言っているけど、「してもらう」と「してあげる」の違いをよく体感していくよ うにね。「してもらう」は、子供や学生の考え方です。子供は、誰かに何かをしてもらわなくては生きていけません。学生は、お金を払って、勉強を教えても らっています。社会人は、本当は、「してあげる」価値観なんだけど、サラリーマンをやっていると、どうしても「してもらう」発想が抜けません。また、成長 しない会社は、ほとんどが「してもらう」発想です。上司も部下もね。「これをしてくれないから、あれができない」「あれがないから、これができない」とい う表現が横行しています。

 ○ちゃんも、この4年間でとても成長してくれました。経営は苦しいから、苦しいときに、この発想になりがちだけど、踏ん張ってください。そうすれ ば、さらに大きく成長します。サポートはいくらでもします。我が社にあるものをうんと活用してもらって結構です。人を幸せにする会社をつくってください。 人を幸せにできる経営者になってください。仕事とは、人を幸せにすることです。とても期待しています。

 ○○さん、まだ、短い期間ですが、○○の仕事、とても助かっています。議事録や速報のまとめは、お客さんからの評価もとても高いですよ。なんだ か、無理やり仕事に引っ張り込んだみたいだけど、ご家族の方は大丈夫でしょうか?あせらないでいいから、ひとつずつ習得していってください。わが社は、仕 事を通じて立派な人間になることを目的とした会社です。企業には「経営理念」というものがあります。我が社の経営理念は「武士道」です。「鍛え上げた自分 の心と力を、お互いに使いあう」です。「互譲互助」とも言います。弱い人間が支えあっても集団は強くなりません。

 また、経営理念は、会社の唯一最大の戦略です。どの会社でもそうです。経営理念を実現させることに心血を注ぐことだけが経営活動です。どんな仕事 にも細部にわたり、その戦略を浸透させることができたなら、その会社は、素晴らしい成長をとげます。我が社が、まだ、成長し切れていないのは、私の経営理 念へのこだわりが弱いからです。私自身をもっと鍛えます。

 経営理念を実現する努力を放棄すると、会社は同質競争に巻き込まれます。価格競争に巻き込まれたりして非常に弱い体質になります。しかし、この経 営理念の実現というのが、七転八倒の苦しみなのです。だから、ほとんどの企業が、ここから逃げてしまいます。我が社はまだ、ひよこのような幼稚な会社です が、経営者としての唯一つの望みは、みんなが、少しずつ、このことを理解し実践してくれるようになることです。どうか、力を貸してください。期待していま す。

 さて皆さん、今、我が社には、素晴らしい書物が、たくさんあります。これほどの本が揃っている会社は、他にはあまりみかけません。どうか読んでください。特に、古典を読んでください。難しかったら、分かりやすいものも揃えています。

 呻吟語(しんぎんご)という書物があります。呂新吾(ろしんご)という人が中国の明代に書いた本です。その中にこういう言葉があります。
「深沈厚重なるは、これ第一等の資質。磊落豪雄なるは、これ第二等の資質。聡明才弁なるは、これ第三等の資質」。

 意味は、「人間の資質として求められる順序は、人格、勇気、能力の順番ですよ」ということです。リーダーになる人は、その三つを備えていることが 望ましいのですが、敢えて順番をつけるとしたら、人格、勇気、能力の順番となります。戦後、私達は、知識教育を受けてきました。人間教育を受けてきません でした。ですから、成績が良い人間が一等の人間となってしまいました。古典を読めば読むほど、過った教育を受けてきたことを自覚します。私は、まだ、48 歳。これから、それを取り戻します。本を読みましょう。
 是非、我が社で働くことで、人間的な成長を実現してください。我が社で働くことは労働ではありません。人間を高める仕事です。また、仕事しか、人間を高 めてくれません。みなさん、日々、ほんとうによく成長してくれています。来年度も是非、大きな成長を実現してください。とても楽しみです。

 みなさんばかりに求めるのではなく、私が一番成長します。小さな小さな会社だけど、夢をたくさん創っていきます。そのために、早くこんなひよこ経営者から脱しますので、みなさんといろんなことを実現していきましょう。

 来年度も(4月の手紙だから今年度かな)、どうか宜しくお願いします。

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このページは、宝徳 健が2007年3月21日 00:14に書いたブログ記事です。

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