5月の手紙

平成19年4月21日
みなさんへ(○ちゃん、○○ちゃん、○○さん)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ボス

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心の栄養(5月の手紙です)

　今期に入って、もう1ヶ月が過ぎました。つまり、12分の1が過ぎたことになります。私たちは、この12分の１の期間を、昨年よりも価値のあるものにしたでしょうか？今年に入って、もう4ヶ月が過ぎました。つまり、3分の１です。
　私たちが望む、望まないにかかわらず、どの人間にも平等に与えられている時間は過ぎていきます。

　私は、この期間の自分の時間の過ごし方に不満を持っています。もっと、価値ある過ごし方ができたはずなのに、それをしなかった、弱い自分がいます。
　昨年よりは、ちゃんと出来ているという相対論ではなく、自分ができるはずのことが実現していないことです。よく検証して、次に進みます。
　また、（中略：企業秘密)がどうしても5月になるため、事業計画の作成が遅れていました。しかしながら、（中略)であったために、かえって事業計画を作成しやすくなりました。連休中に必ず仕上げます。

　○ちゃん、いよいよ卒業だね。苦しいと思います。今まで、常に、誰かに何かをしてもらっていたと思います。本人はそう思わなくても、経営者以外は実際にそうです。これからは、誰かに何かをしてあげなくては(させてもらわなくては)生きていくことはできません。サポートはしますが、甘えは自分で処理してください。○ちゃんが、その感覚で仕事をしているときは、こちらもサポートします。

　さて、みんなにも。人間はひとりでは生きていくことは出来ません。人と人とのかかわりという「心の栄養」がなくては、生きていくことができません。それが、戦後の教育の誤りで、間違った個人主義が横行し、人とはなるべくかかわらないで生きていくことが主流になってしまいました。IT化の進展もそうです。IT化自身は悪くありませんが、デジタルに人間のアナログ能力をマッチさせることを忘れてしまっています。子供がゲームをしている姿を見てぞっとします。何人かが集まって、会話なく遊んでいるのです。かかわりがつくれません。せいぜい、ゲーム機器のとりあいでしょうか？

　ですから、悲しい事件も起きる。ゴミを平気で捨てるような国民になってしまいました。また、子供は、大人からのかかわり「心の栄養」を昔ほどたくさんもらえません。人間は、食事という物理的な栄養で生きていくことはできますが、人とのかかわりという心の栄養がなくては、死んでしまいます。心の栄養を摂取していない子供たちは、どんなおとなになるのでしょうか？

　○ちゃん、これ贈る言葉だよ。よくかみ締めて、不平不満を言わずに、地に足をつけて、事業を行ってください。今は、もしかしたらわからないかもね。ほんとうに危機に陥ったときにわかるかも。

　でも、いつまでも仲間だよ。私たちは、常に心の栄養をお互いに与え続けましょう。それが、わが社の経営理念である「武士道」です。「鍛え上げた己の力と心を他人のために使う」。今の日本人が忘れてしまった、昔の日本人が持っていた世界で最も美しい精神文化です。まだまだ実現できていませんが。

　教育勅語にもあります。「億兆心を一(いつ)にして、世々(せいせい)その美をなせるは、これわが国体の精華にして、教育の渕源(えんげん)、また実にここに存す」。この前の文章で、徳の話がでてきます。その徳が、日本人みんなで実現していることは素晴らしいですね、という意味です。

　○ちゃんと○○ちゃんは歴史が苦手みたいだけど、それは、生きていく上でだめだし、とても損をしています。しっかりと勉強するように。

　さあ、今月も、みんなで「心の栄養」を「お互いに」与え続けましょう。誰かに何かをしてもらうのではなく、誰かになにかをしてあげてください（させてもらってください）。

　○○さん、イントラ毎日書いてね。
                                                                                                                               以上