どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 え~っと、どこまでだっけ。あっ、そうだ。伏姫の月経がとまりました。って、ところからでしたね。
 伏姫は、日に日に腹が張り出してきました。でも、決して八房と交わったわけではありません。

 ある日、伏姫が、八房に法華経を読み聞かせていたところ、対岸に鉄砲の音が響きます。その瞬間、八房の喉から血がほとばしり、八房はばったりと倒れてしまいました。そして、なんと、もう一発の弾が伏姫の右の乳房を貫きました。

 この霧が晴れたことがない場所で、この銃声でなぜか拭ったように晴れてしまいました。向こうの方から若い狩人が浅瀬を見つけて谷川を渡り、洞穴にかけつけました。まずは打ち倒した八房を皮が破れ骨が砕けるまでなぐっりました。でも、ふと横を見ると、伏姫も息耐えているではありませんか。

 「しまった」。若者は叫びました。この若者の名前は金碗大輔(かなもりだいすけ)と言います。このシリーズは、みなさんがわかりやすくなるように極力人の名前を掲載していませんが、この人はどうしても紹介する必要があります。

 金碗大輔は、必死に姫の手当てをしますが、息を吹き返しません。救うつもりであったとはいえ、主君の姫を殺めたことは、不忠の至りです。腹をかききろうとしたところを、姫を探しにきた、姫の父親である里見義実(よしざね)にとめられます。

 伏姫は、その後、いったん息を吹き返します。そして、自分が八房と交わっていないという身の潔白を証明するために、護り刀で、自分の腹を真一文字に断ち割りました。あら不思議、傷口から一条の白気が閃き、襟にかけていた例の水晶の数珠を包んで虚空に高く上ったとみるや、数珠はぷっちりちぎれて、無数の珠は連なったまま地上に落ちました。空に残った八つの珠は、キラキラと光を放ち、とびめぐり入り乱れて、流星のように八方に飛んでいってしまいました。

 金碗大輔が、改めて腹を切ろうとしたときに、義実は「うろたえたか、大輔。大罪を犯しながら、君命を待たずに、自殺しようとは何事じゃ。わしが首をはねてつかわす」と言い、大輔に刀を振り落としました。

 でも、義実が切り落としたのは、大輔の首ではなく、髪の毛(髷)だったのです。

 さ~て、ここからが八犬伝の本番です。髪の毛を切られた金碗大輔は、ヽ大法師(ちゅうだいほうし)というお坊さんを名乗り、伏姫が産み落とした、この八つの珠を求めて、全国に旅だったのです。

 この八つの珠を持つ剣士たちが、いろいろな面白い場面に遭遇し、そして、出会い、最後に里見家の危機を救うというのが、南総里見八犬伝です。もっのすごく面白いですよ。日本人ってすごいですね。

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このページは、宝徳 健が2009年11月22日 09:20に書いたブログ記事です。

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