どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 じゃじゃじゃ~ん、さあ、番作が銘刀村雨丸で腹をかき切りました。
 信乃は声を出して泣きました。番作の返事を聞こうと再度訪れた糠助は、その泣き声を聞いて、何事かと中をのぞきます。血潮の海の中で父のなきがらにすがりついて、泣き伏せる信乃。
 糠助はそれをみて腰を抜かさんばかりになり、一目散に逃げ去りました。

 信乃は、あの嫌な伯母夫婦の世話になるのなら、いっそ、自分も父母の元にいこうと、父の手から離れ落ちている村雨丸を取り上げて、自分も腹を切ろうと考えました。
 信乃は村雨丸を手に取り、灯のもとでじっくりと眺めました。不思議な刀です。水で洗い流したように刃に血の一滴もついていません。

 「く~ん、く~ん」。信乃はその声に振り返りました。与四郎がまだ、息絶えてなかったのです。信乃は、苦しみながら死ぬよりも、いっそ楽にしてやろうと考え、刀を振り上げました。すると、与四郎はやや前足をつきたてて、首筋を伸ばし「ここを切れ」とばかりです。信乃は、刃を振り落としました。与四郎の首はばっさりと落ち、血潮がほとばしります。そのとき、飛び散った血潮の中に、カッとおいう音とともに、きらめき飛ぶものがあります。信乃が左手で受けてみると、一粒の白い玉、大きさは、大豆に二倍くらいです。紐通しの穴もついています。

 光にかざしてみると玉の仲に「孝」の文字が!!!!! 長かったですね~、一つ目の玉が出てくるまでが~。これが八犬伝です。このシリーズいつ終わるのかしら(心配)。

 伏姫の腹から飛び散った玉であり、信乃の母親手束が滝野川からの帰り道に、神女から授けられて、受け損じて犬のほとりにころがって、行方知れずになっていた玉なのです。

 さてさて、どのような展開になるやら。つづく。



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このページは、宝徳 健が2009年12月17日 10:47に書いたブログ記事です。

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