戦国策

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 中国古代、戦国時代の人間模様を描いた「戦国策」を紹介しています。

 荊軻(けいか)による始皇帝暗殺事件が失敗に終わりました。秦は燕を攻める口実ができました。
 そして、五年後、秦は燕を滅ぼし天下を統一しました。

 さて、高漸離(こうぜんり)という男がいます。荊軻の大親友です。実は、荊軻はこの高漸離を待っていたのではないかといわれています。

 この話は、戦国策ではなく、史記に記録されています。ちょっと紹介しておきますね。

 高漸離は、燕が滅亡してから、姓名を変えて宗子(そうし)という土地に隠れ住みある邸にやっかいになっていました。たまたまその邸に客が招かれ、筑(ちく:琴のようなもの)をうつことがありました。すると、高漸離は、その筑の音に「うまい」とか「ああ、ここはまずい」とか、つぶやいたのでした。

 あるとき、高漸離の独り言を聞きつけた召使が、主人に、それを告げ口しました。主人は、高漸離に筑をうたせてみると、それはもう見事な腕前でした。

 そのうわさが始皇帝の耳に入りました。始皇帝は、高漸離を呼び出し筑をうたせました。ところが、始皇帝の側近に、高漸離の顔を知る者がいて、招待を見破られたのです。始皇帝は、せっかくの筑の名手を殺すのはもったいないと、目をつぶすだけにとどめました。

 こうして月日がたつにつれて、始皇帝の警戒心が薄くなり、高漸離をいつも近くにおき、筑の音を楽しみました。あるひ、高漸離は、ひそかに筑に鉛を仕込んでおきました。そして、いきなり、それで、始皇帝になぐりかかったのです。しかし、盲目の悲しさ、狙いははずれ、殺されてしまいました。

 さて、燕の話は終わります。戦国策ももう終わりに近づいています。次回からは、小さな国のお話をします。

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このページは、宝徳 健が2010年6月13日 06:28に書いたブログ記事です。

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