戦国策

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 中国古代、戦国時代の人間模様を書いた「戦国策」を紹介しています。戦国策ももう残りわずかになってきました。今日から、小さな国のことを紹介して行きます。戦国時代は、七雄という大きな七つの国で争いが繰り広げられました。でも、七雄以外にも小さな国が存在したのです。
 戦国の世の中にあって、弱小国ほど立場の苦しいものはありません。生き延びるためには、強大国以上に権謀術数をめぐらさなくてはなりません。

 今日は、西周という国の話です。テーマは「言い逃れのコツ」。
 韓の厳遂(げんすい)という宰相が、ある事件のために国外に逃亡しました。

 厳遂の一味に陽堅という男がいました。彼は亡命の途中、西周に立ち寄りました。西周の王は、陽堅を客として十四日も滞在させたうえ、四頭立ての馬車まで提供して国外に逃がしてやりました。韓はそれを聞くと、さっそく、西周に問責の使者を送ってきました。

 西周の王は、狼狽しました。そのとき、ひとりの説客がこう進言しました。

「心配後無用。韓にこう言ってやるのです。『私は厳遂事件に陽堅が関係していたことを知っていました。ですから、十四日もあの男を交流して、貴国の指示を待ったのです。しかし、小国の悲しさ、いつまでも他国の人間を拘留しておくことはできません。しかもその間、貴国から何の指示もありませんでした。やむなく陽堅の逃亡を許してしまったのです』」

 なるほど、ものは言いようですね。

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このページは、宝徳 健が2010年6月20日 05:01に書いたブログ記事です。

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