あなたならどうする?

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 楚に使いにきた斉の宰相、晏嬰(あんえい)に恥をかかせようと、楚の国の王と家臣が、わざわざ無実の斉の国の人間を引っ張ってきて、斉の国の人間は、泥棒ばかりだと言わんばかりです。さあ、晏嬰は、この難題をどうクリアするのでしょうか? ♪あなたな~ら、どうする~♪

「晏嬰さま、違うのです。私は泥棒などはたらいていません。先ほど、楚の街を歩いていたら、いきなりここまでつれてこられたのです」

 男は、晏嬰に目でそのように訴えかけます。

「わかっておる、何も心配することはない。助けてしんぜよう」

 晏嬰もまた、目でその男に答えを返します。

 楚の人間どもは得意満面です。これで晏嬰に恥をかかせることができるとニヤニヤしています。

 楚王は言います。

「晏嬰どの、斉の国の人間には、困ったものですなあ。楚に来て泥棒をするくらいの人間が揃っているのではないか?」

 晏嬰は、答えました。

「はて、その男は、私もよく存じている斉の男です。その男は、斉の国ではまじめて、周りのみんなからも慕われておった者です。それが、楚の国に来ると泥棒になるのですなあ。どんなまじめな男も、楚の国に来ると泥棒になってしまう。楚のお国にも困ったものですなあ。はっはっは~」

 楚王も、家臣も、顔が青ざめました。男はすぐに釈放され、晏嬰は丁重に扱われたそうな。

 外交交渉とは面白いものですね。

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このページは、宝徳 健が2011年2月15日 00:12に書いたブログ記事です。

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