最後の砦

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 日本人とはまったくすごいものです。

 自衛隊の上空からの放水投下、東電社員の暗闇の中で懐中電灯をつけながらの決死の作業、危険を顧みない警察官・・・。

 木更津駐屯地第一ヘリコプター団は、統合幕僚長の決断で、海水をヘリから投下しました。志願制ではなく、技量が高い乗員19人を選抜、任務を遂行しました。隊員たちの言葉です。「目に見えない危険は確かに怖いが、われわれは『最後の砦』。行けと言われればなんとしてでも行く」と話しました。

 乗員は全身を覆う特殊な防護服を着用し、放射性物質に対応しました。

 海水を投下した300フィート(約90メートル)上空は直ちに健康に影響はありません。しかし、将来がんになる危険性が高まる100ミリシーベルトに限りなく近い87.7ミリシーベルトです。今回は300フィートより低い高さからの投下を、統合幕僚長は指示しました。隊員に「死んでくれ」と命令したのです。軍隊とはすごいところです。暴力装置と呼んだ民主党政権ではなく、統合幕僚長の命令だから隊員たちも出動を拒否しなかったのでしょう。

 何度も何度もシミュレーションを繰り返し、被曝を避けるために、上空にとどまらず移動しながら海水を投下するという危険で困難な任務です。

 一機の最大作業時間は40分。投下させる高度や滞空時間などはすべて機長の判断に任されています。乗員全員、襟に付けられた測定器をにらみながら任務を遂行しました。乗員は帰任後、放射線量の検査を受けました。全員、60ミリシーベルト以下でした。なんと、このヘリには東電の社員も同乗していました。

 警察もそうです。冷却するために地上から放水を始めましたが、なかなか届きません。現場の警察官たちは、「もっと近づいて放水させてくれ」と上司に懇願します。あまりにも危険なため、警視庁本部はそれを認めませんでした。

 俺の命と引き換えにしても国民の安全を守りたいという彼らの姿勢には、もう言葉に尽くせないものがあります。涙が止まりません。

 現地の人たちも、自分たちのつらさもあるのに、この行為を称賛します。「勇気を持ってやってくれる自衛隊の人たちに感謝しなければ」「原発になにがあっても、自分たちがこの土地を離れるのは最後。自衛隊のみんなにも頑張ってほしい」「危険な作業なのに本当にご苦労様」「ここを離れることなんてできない。自衛隊の皆さん、がんばって」。

 日本人とはかくもすごい民族なのですね。私よりも公の精神が優先する。

 自衛隊がんばれ、警察がんばれ、消防がんばれ、海上保安官がんばれ、東電の社員がんばれ、地元の人たちがんばれ!!!! 

 話は変わりますが、援助物資はどんどん送られているみたいです。でも、とどかない。物流機能がボトルネックになっているからです。

 なら、こっちに非難しに来てよ。村ごと来てよ。日本人みんなでこの苦難を味わおうよ。

 おい、民主党、お前らなにやってるんだ。

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このページは、宝徳 健が2011年3月18日 08:10に書いたブログ記事です。

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