マルチ・モチベーション

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 ある会社から評価処遇制度を作る前に、社員のモチベーションを調査してもらいたいとの依頼を受けました。弊社にはこれにぴったりのMM分析(マルチ・モチベーション分析)という商品があります。では、マルチ・モチベーションについて何回かのシリーズで解説します。
 まずは、基本的な労務管理のビジネスモデルから。

 ブログにエクセルファイルを挿入する技術が私にありませんので、本来なら図で解説したいのですが、文字で。

 欧米的なものすごくドライな言い方をすると、社員は「労働者」として会社に「労働力」という商品を売っています。そして、会社はその商品に対して、給料という「価格」を払っています。

 ただ、この関係だけだと、社員は、給料の範囲内しか働かなくなりますし、この状態が続くと、その範囲はどんどん狭くなっていきます。儲かっていないから仕方がないじゃないかということで給料や人をどんどん削減した企業で、再生した企業の例を私は知りません。

 では、会社が求めるものは何か。 すぐれた業績ですね。これを言い換えてみます。

 社員は、売上や利益の計画達成やすぐれた仕事の品質という価値、つまり「価格」を会社側に提供します。では、会社側は、その価格に対して、どのような「商品」を提供しているのでしょうか?

 なぜ、社員は生き生き働いてくれるのでしょうか? なぜ社員はすぐれた業績を提供してくれるのでしょうか? 理念? すぐれた評価・処遇の仕組み? なんでしょうか?

 ここの労務管理の妙があります。 どのようなモチベーションが絡み合って、そういう状況を作り出すか。これがマルチ・モチベーションです。

 「かつての」出光興産には、出勤簿も残業手当もありませんでした。私は19年間出光興産にいましたが、残業手当が欲しいという感覚になったことがありませんでした。社員が放棄しているという形にはなっているのですが、だいたい、残業手当なんかがあったら、それは「会社の仕事」になってしまいます。「自分の仕事になりません」。
 
 「かつての」出光興産の社員は、みんなそんな感じだったのではないでしょうか? 今は残業手当があるようです。かわいそう。

 労働法規は、すぐれた業績を残すという会社・社員双方の関係を阻害する天下の悪法です。

 さて、次回から少しずつマルチ・モチベーションを解説します。

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このページは、宝徳 健が2011年5月 7日 08:07に書いたブログ記事です。

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