ＢＣＰ（事業継続計画)

　企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことをＢＣＰといいます。

　特に中小企業は経営基盤が脆弱なため、緊急事態に遭遇すると、廃業に追い込まれるおそれがあります。

　新潟県中越沖地震(2005年10月)では、132社で985人が解雇されました。今回の東日本大震災においては、どのくらいの規模になるかが予想もつきません。

　では、今日は入門診断をしてみましょう(中小企業庁ＨＰより）。以下の質問に、「はい」「いいえ」「不明」で答えてみてください。

【経営資源】
①緊急事態発生時に、支援が到着するまでの従業員の安全や健康を確保するための適切な災害対策計画を作成していますか？
②災害が勤務時に起こった場合、勤務時間外に起こった場合、あなたは従業員と連絡を取り合うことができますか？
③定期的に避難訓練をしていますか？
④初期救急や心肺蘇生法の訓練を受けた従業員がいますか？

【物的資源（モノ)】
⑤あなたのビルは自然災害の衝撃に耐えられることができますか？そして、ビル内にある機器類はその衝撃から保護されますか？
⑥あなたのビルへの部外者への侵入を阻止するために、外部塀やフェンスおよび入り口ドアや窓の保全を定期的にチェックしていますか？
⑦あなたの会社の周辺の地震や洪水の被害に関する危険性を把握していますか？
⑧あなたの会社の設備の流動を管理し、目録を更新していますか？

【物的資源(金)】
⑨1週間または1ヶ月間程度、事業を中断した際の損失を把握していますか？
⑩あなたは、災害後に事業を再開させる上で現在の保険の損害補償範囲が適切であるかどうかを決定するために保険専門家と相談しましたか？
⑪事前の災害対策や被災時復旧を目的とした融資制度を把握していますか？
⑫1ｹ月分程度の事業運転資金に相当する額のキャッシュフローを確保していますか？

【物的資源(情報)】
⑬情報のコピーまたはバックアップをとっていますか？
⑭自社オフィス以外の場所に情報のコピーまたはバックアップを保管していますか？
⑮操業に不可欠なＩＴ機器システムが故障等で使用できない場合の代替方法はありますか？
⑯主要顧客や各種公共機関への連絡先リストを作成していますか？

【事業継続】
⑰あなたの会社が自然災害や人的災害に遭遇した場合、会社の事業活動がどうなりそうかを考えたことがありますか？
⑱こうした緊急事態に遭遇した場合、どの事業を優先的に継続・復旧すべきであり、そのためには何をどうするべきか考え、実際に何らかの対策を打っていますか？
⑲長期間の停電や電話の輻輳(ふくそう）する、コンピュータシステムがダウンする、取引業者からの原材料の納品がストップするなどのケースについて、代替手段を用意できていますか？
⑳社長であるあなたが出張中だったり、負傷した場合、代わりの者が式をとる体制が整っていますか？


診断：「はい」の数はいくつでしたか？
人的資源　　　　　　 　個／4個
物的資源(モノ)　　　  個／4個　
物的資源(金)　　　　  個／4個
物的資源(情報)　　 　個／4個
事業継続　　　　　　　 個／4個

合計　　　　　　個／20個

16個～20個
あなたの会社ではＢＣＰの考え方に則った取り組みが進んでいるようです。会社のＢＣＰをチェックしてより強力なものにしてください。

6個～15個
緊急時に備える意識は高いようですが、まだまだ改善すべき点が多いといえます。実践的なＢＣＰを策定し、平常時から運用を進めることが必要です。

0個～5個
今、緊急事態に遭遇したら、阿多なの会社の事業は長期間停止し、廃業に追い込まれる恐れが大です。一からＢＣＰの策定運用に取り組んでください。早急にできることから始めてください。