菜根譚

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 菜根譚(さいこんたん)は、どうしてこんな名前になってしまったのだろうかと考えてしまうのではないでしょうか? 支那の宋の時代に汪信民という人がいました。この人が「人は常に菜根を噛みすれば、すなわち百事做(な)すべし(野菜の根はすじが多いが、これを噛みしめてこそ、真に人生の意味を味わうことができる)」と言いました。これに因んでつけられています。

 今日のテーマは「始まる前に『終わり』を読む」です。
「歩を進むる処、すなわち歩を退くを思わば、庶(こいねがわ)くは藩に触るるの禍(わざわい)を免れん。手を著(つく)る時、先ず手を放つを図らば、わずかに虎に騎(の)るの危うきを脱(のが)れん」

 人がこの世で対処していくには、いつも用心して、まず一歩を進めようと思うときに、一歩退く備えをしておくとよい。そうすれば、牡羊(おひつじ)が角を垣根にひっかけて身動きができなくなるような災難を免れることができる。何かに着手する場合も同じで、手をつけるときには、一方で手を引くことを考えておかなければならない。そうすれば、虎の背からおりられなくなるというような危険に陥らずにすむ。

 「藩に触る」は「易経」にある「羝羊(ていよう)藩に触れる」に基づいているのだそうです。羝羊とは、「牡羊(おひつじ)」です。牡羊がむこうみずに進んでいくので、ついに垣根に衝突して、角がひっかっかって進退窮まったという故事によっています。

 「虎に騎るの危うき」の危とは、虎に乗ったはいいが、おりれば虎に食い殺されるという、進退窮まる状況を言っています。

 あ~あ、この言葉、もっと昔に知っていたらな~。

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このページは、宝徳 健が2011年5月27日 00:47に書いたブログ記事です。

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