BCP(事業継続計画)

| コメント(0) | トラックバック(0)

 このシリーズは右のカテゴリー「コンサルティング」に格納されています。

 BCPを誤解していらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。今日は、BCPをどう誤解していらっしゃるかという観点を解説しましょう。

 BCPは防災計画とは違います(これは以前書きました)。

 BCPとは、緊急事態の際に「いくつ事業を守ることができるか」ではありません。 ちょっと極論に聞こえるかもしれませんが、「中核業務を守るために、他の業務をどう捨てるか」ということなのです。

 言い過ぎていることは十分承知していますが、前者と後者の比較すると、スタート地点が違うことがわかります。前者が「防災計画、後者が「BCP」です。

 ちょっと言い過ぎたので修正しますが、「事業と雇用と信頼」を守るために、いざというときに、中核事業だけを残す準備をするのがBCPです。あれもこれも残そうとしたら、中核事業まで守ることが出来なくなります。

 医療に「トリアージ」という作業があります。ドラマ「仁」で、南方仁医師が、火災で焼け出された患者の治療にあたって、患者の容態の「緊急度」に応じて、患者を4つにグルーピングしました。優先度の高い患者から治療にあたっていました。

 こういう、災害時の医療現場で、負傷者や病人の深刻度や緊急度に応じて処置の優先順位をつける作業が「トリアージ」です。

 限りある医療スタッフや医薬品を最も有効に活用するための、そして最も多くの患者の命を救うための方法です。もし、運び込まれた負傷者患者すべてを無差別に手当しようとすれば、瞬く間に医療資源が不足してしまうだけではなく、命を救うべきタイミングを次から次へと失ってしまいます。

 BCPにおいて事業に優先順位をつけるということは、限りある経営資源を最も効果的、効率的事業の継続や復旧のために振り分けることによって、単に有形の財産を守るだけではなく、会社にとって最も重要な信用や信頼関係、競争力といった無形の財産を守るためのベストプラックテスなのです。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/2672

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2011年7月12日 07:37に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「誰にでもわかる大東亜戦争の真実」です。

次のブログ記事は「大阪府経営力向上緊急支援事業」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。