このシリーズは右のカテゴリー「コンサルティング」に格納されています。
前にも書きましたが、「いつ起こるかわからない災害にコストをかけることはできない」という経営者の方がいらっしゃいます。
こういう経営者は、リスクマネジメントの本質をもっと知りましょう。
経営は、常に厳しい状況にさらされますので、「顕在化」するものに眼がいきます。それは間違っていません。でも、「顕在化するものだけに」眼が行くのは間違っています。
なぜならば、リスクとは「常に潜在化したも」だからです。BCPは、災害等備えるものではありません。災害等が起きたときに、どう対応するかを考え、常に企業を鍛えておくものです。
財務はどうでしょうか? 健全な財務内容を誇る経営をしている企業も、承継対策をしていないと、いつもは潜在化している承継問題が噴出したときに、会社が一気におかしくなります。
コストはどうでしょうか? 保険や投資その他のコストが企業経営の実態と合っていなかったり、すると、毎年少しずつの負担が生じます。この負担が長年にわたり、企業経営を蝕みます。
などなど、企業はリスクの塊です。それも、潜在化していないものばかり。
BCPは、その最たるものでしょう。
RTOというBCPにおいて、最も大切なキーワードがあります。目標復旧時間です。前回書いたMDPTという最大停止許容時間は、この事業はいつまで耐えられるかという、受動的なものです。
RTOは、目標復旧時間です。この中核事業を俺たちは何時間・何日で立ち上げるんだという意志です。主体的です。
BCPが企業において大切である理由は、いつ起きるか分からないことに対して、社員と一体となって、いつも考える力を養うことです。
BCP=企業価値の向上と言われるゆえんです。
コメントする