中小企業支援策 その10

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 予算が次に高いのが「地域力活用新事業創出支援事業」です。予算規模は19.9億円です。実は、これも商店街対策なのです。
 小規模事業者等の振興と安定に寄与することを目的として、商工会・商工会議所等が小規模事業者等と協力し地域資源を活用した特産品開発等やその販路開拓などの取り組みを支援するための事業等に対して支援されます。

 この事業は、地域の小規模事業者による全国規模のマーケットを狙った新事業展開を促進するため、商工会、都道府県商工会連合会、将校尾会議所が小規模事業者と協力し、地域の資源を活かした新製品開発・全国的な販路開拓等への取り組みや、地域の産品・日本の美などの価値等、その地域においてのみ体験可能な魅力を活用したブランド形成等に対して幅広く支援するものです。

 商工団体が、小規模企業、地元自治体等と一体となって取り組む、まちづくり・むらおこし、介護・福祉などの事業に対して、地域経済の活性化及び雇用創出の観点からも支援を実施します。

 昨年度までは「小規模事業者新事業全国展開支援事業」という名前でした。

 事例をひとつだけ紹介しておきます(J-NET21の事例を参考にしています)

(事例)

 プチヴェールは、静岡の事業者が平成2年に青汁の原料として知られるケールとメキャベツを交配して開発した国産の新野菜であり、静岡県を始め全国数カ所で栽培されています。ビタミンC、カロテン、鉄分、カルシウムの含有量が特に高く、栄養価のバ ランスに優れ、またケールよりも苦味が少ないのが特徴です。広島県江田島市では、休耕地の活用と地域経済の活性化を目的として、平成17年頃から本格的に 栽培が始められました。

それと同時に、沖美町商工会(当時)会員の有志により、プチヴェールを原料とする青汁の製造販売事業の検討が始まり、プチヴェールの冷凍ジュースの 試作と広島市内の広島県商工会連合会が運営するアンテナショップ「商工会夢ぷらざ」での試売など、事業化に向けて準備を進めてきました。


 このようなテストマーケティングやフィージビリティスタディをへて、平成18年に、「プチヴェールの実及び花芽の販売及びこれを原料とする青汁の製造販売等」を目的とする株式会社クライムONEが設立されました。

 現在、クライムONEは、自社ホームページでの通信販売によるプチヴェールを100%使用した冷凍タイプと顆粒タイプの青汁を自社のホームページにより販売しています。 また、平成20年度からは、広島市内の百貨店や食品スーパーへプチヴェールの果実のスポット販売も始めています。

プチヴェール青汁「緑の力」プチヴェール青汁「緑の力」 プチヴェール青汁アイスプチヴェール青汁アイス
企業名 株式会社クライムONE
代表者名 大勢登正 従業員数 3名
資本金 200万円 売上高 300万円
住所 広島県江田島市沖美畑13
電話番号 0823−48−0019
主要製品 江田島市のプチヴェールを使った青汁「緑の力」の製造・販売

 沖美町商工会(当時)の制度紹介により、広島県商工会連合会が実施している中小企業経営革新支援事業の専門家派遣制度を活用して、平成18年10月 から12月にかけて中小企業診断士の指導を受け、「新野菜プチヴェール及びこれを原料とする健康食品の製造販売事業」をテーマに経営革新計画を作成しまし た。また、事業化段階においても、プチヴェール果実及び青汁の市場調査、自社ホームページ製作、プチヴェール生産者との連携実施の際、派遣された専門家か ら指導・助言を受けました。

 平成18年12月に広島県に同計画を申請して、平成19年1月に経営革新計画の承認を受けました。この経営革新計画の承認により、平成19年度にはこの制度の承認を受けた中小企業が利用できる政府系金融機関による低利融資制度を活用して、事業資金を調達しました。

 平成18年度に江田島島内の江田島、能美、大柿、沖美の4商工会(平成20年4月に4商工会が江田島市商工会に合併)が連携して受注した小規模事業 者新事業全国展開支援事業「地域活性化のための水産物をけん引役とした江田島特産品の販路開拓事業」に事業者として参加し、東京で開催された「全国ふるさ と見本2006・池袋(平成18年11月)」、「第63回東京インターナショナル・ギフトショー春2007(平成19年4月)」に出展し、試飲によるアン ケートやサンプリングを行うことにより、首都圏市場のニーズ把握や商品PRを行いました。


 専門家の指導により、経営革新計画を作成したことによって、自社の経営資源の状況、事業における問題点が明確になり、これに対する具体的な課題を盛 り込んだ売上・利益計画や実効性のあるチャネル戦略や販売促進計画などを立案することができました。これにより、クライムONEは平成18年11月に予定 通り会社を設立し、平成19年から青汁の販売を開始しました。

 現在は、事業を軌道に乗せるべく、江田島市商工会の支援を受けながら全社一丸で、栄養価が高く飲みやすいなどの優れた特徴をもつ青汁の積極的なPR活動や、プチヴェールアイスやクッキーなどの青汁以外の商品の開発に取り組んでいます。


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このページは、宝徳 健が2011年11月12日 06:38に書いたブログ記事です。

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