33年前

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 昨日、家に戻ってテレビを観ていました。普段は、事務所でワンセグを観ながら仕事をしています。その時は、ニュースぐらいしか観ませんが、家に戻ると、いろいろな番組を観ます。

 クイズ番組を観ていたら、紺野美沙子さんと川島なお美さんが出ていました。
 紺野美沙子さんは、学部は違いますが、同じ大学の同じ学年です。33年前、東京の大学に入りました。紺野さんは、NHKの朝ドラに出ていました。新聞に載った紺野さんの写真を観て、「へ~、同じ大学っちゃけん。それにしてもかわいい子もおるっちゃね~」と博多弁で思いました。

 ある日、一般教養の確か牧野教授の地学に出席したときのことです。席に座って、ふとひとつ向こうの席をみると、なんと、紺野美沙子さんが坐っているではないですか。「うっわ~、実物は、もっときれか~」と思いました。家に帰って、お袋に「今日、紺野美沙子が、ひとつ向こうの席に座っとったっちゃん。あんなきれいか人見たことないばい」と言ったら、お袋がいつものニコニコした顔で、「よかったね~」と言いました。お袋は、いつも「よかったね~」と言ってくれます。

 親戚に人は、お袋が私にものすごく厳しい母親だったと言いますが、私にはあまりその記憶がありません。外では確かにそうだったのかもしれませんが、家ではいつも「よかったね~」でした。

 怒られたことはそうありませんでしたが、覚えていることがひとつあります。就職の内定をもらって、うれしくて友達とご飯を食べに行った時、家に、遅くなると電話したら「何を言っているの! すぐに帰ってきて、お父さんに、報告とお礼をしなさい!!!」と。

 川島なお美さん。この人にも思い出があります。六本木のアンナミラーズ(今でもあるのかなあ)という、ウエイトレスさんがミニスカートの喫茶店がありました(チェーン店)。私は、1・2年生の時にはとても貧乏だったので、友達から喫茶店に誘われることが苦痛でした。なぜ、お茶を飲むのに金を払わなくてはならないかと思っていました。

 あるとき、友達数人とアンナミラーズにいやいや行きました。早く出たいな~と思いながら。そうすると、友達が一斉に、川島なお美さんをほめだしたのです。当時は大学生タレントとして有名でした。でも、それをテレビを観ない、九州のど田舎者の私は知りませんでした。

 なんと、私たちの席の隣に、川島なお美さんが、座っていたらしいのです。それでみんなは、お近づきになろうと、一斉に川島なお美さんをほめだしたのです。何も知らない私は「川島なお美っちゃ、誰や」と言ってしまいました。するとそのとき、隣の席の女性(川島なお美さん)が、席を立って帰ってしまいました。

 「お前、せっかく川島なお美と仲良くなるチャンスだったのに、なんだよ」とみんなから、ぼろくそに言われました。

 そのときも、帰ってお袋に言うと、ニコニコ笑いながら「よかったね~」と言ってくれました。

 昨日、テレビを観ながら、そんな33年前の、紺野美沙子さんと川島なお美さんと、亡くなったお袋を思い出しました。人の事は言えませんが、それにしても、お二人とも年をとったな~。相変わらずきれいなのですが・・・。まさに「わが身世にふるながめせしまに」ですね。

 携帯電話も何もなかったあの当時、待ち合わせをすると連絡の行き違いで、時間と場所を勘違いし会えないこともありました。その相手が女性の場合には、とても切ない思いをお互いしたものです。携帯電話のせいで、そんな切ない思いを味わえないようになりましたね。携帯電話って本当に必要なのだろか?

 では、拙速です。

思ひ出す 遠い昔の なつかしさ わが身よにふる ながめせしまに

 正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。「十(と)たび歌よみに与ふる書」の続きです。

「牡丹と深見草との区別を申し上げると、私には深見草というよりも牡丹という方が牡丹のイメージが著しくわいてくる。さらに「ぼたん」と言う方が強く実際の牡丹花の凛としたところをよく著わしている。だから、客観的に牡丹の美を表現しようとしたなら、牡丹と詠む方がよい場合が多い」

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このページは、宝徳 健が2012年3月27日 06:12に書いたブログ記事です。

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