受託者が受益者になれるか

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 Kさんは自分の財産をいつか子供に贈与しようと思っていますが、子供は財産の管理能力がないので、自分が受託者となる信託をして、当面は受益権を自分で所有し、将来的に受益者を子供に移そうと考えています。そんなことが出来るのでしょうか?
 結論は、叶です、
 
 問題は、受託者=受益者という状態で問題が生じないかどうかです。

 信託の趣旨は、他人のために財産を管理してあげるというものであり、受託者=受益者となると、自分で自分の財産を管理することになり、信託の趣旨からはずれてしまいます。

 そこで信託法では、受託者=受益者という関係が一時的に生じることは認めていますが、期間が1年間継続した場合には強制的に信託が終了することとしています。

 今回のケースも同じことです。

 こういう場合は、合同会社かなにか簡単にできる法人を一つ作るか、自分で支配できる法人があるのであれば、その法人を受託者にするとよいですね。

 えっと、そうだ! 法人を作らなくても、今回のケースで、受託者がKさんで、受益者がKさんとKさんの奥さん(つまり受益者が2名いる)とした場合、受託者≠受益者となる奥さんがいますので、信託は強制終了しません。これは使えそうですね。

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このページは、宝徳 健が2012年7月16日 05:02に書いたブログ記事です。

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