どの本よりわかりやすい旧約聖書

　聖書を読むときは、名前がなかなか覚えられません。これはどの国の神話でも同じようなものです。だから、名前を確認するときに、いろいろな聖書の本を引っ張り出しますが、ストーリーはだいたい覚えています。

　私は、気に入ったものに同化するくせがあります。学生時代、親友のＹＴＪとスーパーマンの映画を観に行きました。二人で見入ってしまい、ついに、スーパーマンが飛び上がる時、席を立って自分も飛ぼうとしました。横をみるとＹＴＪも同じことをしています。以来の親友です（笑）。

　古事記やギリシャ神話や千夜一夜物語などを読んでいても、自分が素戔嗚尊やアキレウスやアポロンやヘラクレスになった気分で読んでしまいます。でも、最初はあまり理解できないので、繰り返しそうやって読んでいくうちにだいたいストーリーが頭に入ります。本っていいな～。

　バベルの塔は以前にも書きましたね。

　ノアのずっと後の世代、人間はまたも神の存在を忘れてしまいました。何不自由のない生活を送ることができる状態になると、人間は堕落します。まさに「順境にて悲観し、逆境にて楽観す」ですね。戦後の日本も史上初めて裕福な生活を送ったためにこんな国になってしまいました。人間の性はそうかわらないのでしょう。とすれば、私たちには、古代から常に身を慎んでいらっしゃる天皇陛下がおわすことがどれだけ幸せかがわかります。

　ユダヤ教の神は、自分の偶像を作ることを固く禁じます。でも、人間はそれが我慢なりません。目に見える崇拝像を欲しがります。モーセのようなリーダーがいるうちはいいのですが、いなくなったり、何不自由なく生活できるようになると、それを忘れます。そして、偶像を作り始めました。

　偶像をつくるばかりか、なんと、自分たちは神より偉いのではないかと考えるようになってしまいました。そして、天上にいる神に届くような高い塔を作って、神に自分たちの力を見せつけようとします。その塔の一番上に自分たちが造った神の偶像を乗せようというのです。

　さあ、塔の建設が始まりました。それはそれは高い塔でした。神は怒ります。　つづく