どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 光源氏が、難を避けるために須磨に向けて出立しました。
 傷心のままに須磨で日々過ごす光源氏でした。京の女たちと手紙を交わしながら。

 須磨に秋が訪れました。さて、この須磨の章で光源氏が一人寝から目覚めて寂しさにむせびながら書いた分は、源氏物語中屈指の名文と言われています。今日は、それを紹介します。

 須磨には、いとど心ふくしの秋風に、海はすこしとほけれど、行平の中納言の「關(せき)ふき越ゆる」と言ひけむ浦波、夜〱は、げに、いと近う聞こえて、またなく、あはれなるものは、かゝる所の秋なりけり。御まへに、いと人ずくなにて、うちやすみわたれるに、ひとり目をさまして、枕をそばだてゝ、四方(よも)の嵐を聞き給ふに、波、ただこゝもとに立ちくる心地して、涙おつともおぼえぬに、枕うくばかりになりにけり。

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このページは、宝徳 健が2012年11月18日 10:19に書いたブログ記事です。

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