りんご

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 五日に一度季節を「観」じてきたのがかつての日本人です。今は、七十二候(しちじゅうにこう:ななじゅうにこうとは読まないでください)の小雪(しょうせつ:こゆきと読まないでください)です。小雪の初候です。

 この頃はりんごがとてもおいしくなります。私の子供のころは、今のようにお菓子が豊富に売っていませんし、それがしょっちゅう買えるほど、日本の家庭は裕福ではありませんでした。
 お菓子を買ってきてそれをおやつにするなど、ありませんでした。すべて母の手作りか、トマトや生卵やりんごなどの自然のものでした。食事だけでなく、おやつにも親の愛情がたっぷり注がれていた時代でした。

 そんな中でも、りんごはとても楽しみでした。みかんも嫌いではありませんが、皮をいちいちむかなければならないので、面倒くさい(笑)。りんごはそのまま食べることができます。ガブッと。大好きなりんごなので、最後に残るのは、あの芯の先っぽだけ。種まで食べてしまいます。

 一日一個のリンゴで医者いらずとはイギリスの格言です。栄養がいっぱい。カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維、ビタミンCなどなど、甘くておいしい上に体にもいい。アップルパイなど、大好物です。あ~、よだれが出てきた~。

 そういえば、よくりんごジャムを作ったよな~。
 そういえば、しばらく焼きりんごを食べていないな~。
 そういえば、ユダヤ教で、神に最初に逆らって罰を受けたのはイブだったな~。
 
 神様は、人類にとても素敵なプレゼントをしてくれたものです。

10森林檎.jpg


 そういえば芥川龍之介もりんごが好きだったようです。「三つのなぜ」なんて、読んでいて「へー」と思いますし、著作「阿呆の一生」にもりんごの一節があります。

(阿呆の一生の一節)
 彼は或カッフェの隅に彼の友だちと話していた。彼の友だちは焼林檎(やきりんご)を食い、この頃の寒さの話などをした。彼はこう云う話の中に急に矛盾を感じた。
「君はまだ独身だったね」
「いや、もう来月結婚する」
 彼は思わず黙ってしまった。カッフェの壁に嵌めこんだ鏡は無数のかれ自身を映していた。冷えびえと、何か脅かすように。・・・・・

 芥川龍之介の文章には命がこもっていますよね。天才のレベルです。私のような鈍才が読んでも感動します。

 とにかく、りんごって、みんなの心を惹きつけるのですね。

小雪に 赤く実った りんごかじり 心満たされ おなか満たされ

 今日、りんご買いに行きます。

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このページは、宝徳 健が2012年11月25日 03:05に書いたブログ記事です。

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