どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 光源氏に再会した空蝉(うつせみ)ですが、人妻のみゆえにその思いを果たすことが出来ません。

 ところが・・・
 空蝉の夫が亡くなってしまいました。若い妻を遺していくことは夫にとってつらいことで息子たちにくれぐれも後のことを頼みました。でも、人情の常で、独り身になった空蝉を子供たちは大切にしません(継子なので)。一人だけ親切にした子供もいたのですが、それは美しい空蝉への横恋慕でした。空蝉はわずらわしくなり、出家してしまいました。

 ここまでが源氏物語の前半部分です。いかがでしたでしょうか?

 千年以上も前に、女性が、このような素晴らしい小説を書いていました。これは世界の常識では考えられません。特に、支那、朝鮮、プロテスタントの国では、いまだに信じられないでしょう。

 日本は古代から女性を大切にした国でした。というか、女性が陰に徹していました。結果、男が世の中を動かしているようで、実は、女性たちの支えが、国創りを実現させていたのです。戦前の日本を評して、男尊女卑という言葉を軽々しく使うことは、正しい国の歴史をまったく知らないことを意味します。

 天の動きには必ず陽と陰があります。陽だけでもダメです。陰だけでもダメです。陽と陰が相まって、天の動きと歩調を合わせることが出来ます。そのバランスがくずれると、今の世界や日本のようになります。古典を学ばない今の日本人はそのことが理解できません。

 「性」とは、天が与えた最も大きな使命です。人間性・動物性・植物性・・・。人間はどんなに知恵を付けても植物になることはできません。男性・女性もそうです。男性は陽に徹し、女性は陰に徹する天命があります。また、一人一人にも天から与えられた「性」があります。一生かけてそれを見つけ、与えられたその使命がどんなに小さなことでもコツコツと果たしていくこと、これが「個性」です。わがまま勝手に好きなことをやることが個性ではありません。

 昔の日本人は、世界で唯一この考え方を継続させる力がありました。だから、源氏物語ができました。

 このシリーズを書き続け、かつての日本の素晴らしさを再認識すると共に、自らの未熟さを思い知らされています。

 では、次回から中盤に移ります。

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このページは、宝徳 健が2012年12月15日 08:13に書いたブログ記事です。

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