漬物10：梅干しちゃん

「あっ、梅干しちゃん、おはよう」
「おはよう」
「この前は、味噌漬け君と塩漬け君と喧嘩してごめんね」
「私、喧嘩する人嫌い。せっかく糠漬け君の事を好きになりそうだったのに。こんど喧嘩したら本当に嫌いになるからね」
「ごめん・・・。もうしない・・・。」
「約束よ」

「梅干しちゃんのことを調べたよ。やっぱり好きな子の事は知っておきたいからね」
「わぁ、うれしい」

「たくさんあるから、一つずつね。まずは、梅干しちゃんはなんと言っても抜群のアルカリ食品だとうことなんだ」
「どうしてアルカリだと良いの？」
「うん」

「たとえば、１００グラムの豚肉を食べた場合、その酸性を中和する為には、人参で１００グラム、ほうれん草で５０グラム必要なんだけど、梅の場合、たった１０グラムで１００グラムの豚肉を中和させる事が出来るんだよ。梅はミネラル豊富な抜群のアルカリ性食品なんだよ」
「わぁ、私ってすごいのね」
「うん素敵だよ」

「おい、糠漬け」
「あっ、味噌漬け君と、塩漬け君」
「抜け駆けはするなって言ったろう！」
「人が誰を好きになろうが君たちのしったこっちゃないだろう」
「うるせえ、おい、やっちまえ」

「僕は、梅干しちゃんと喧嘩をしない約束をしたんだ。やるならやれよ」
「糠漬け君、偉い！」

「くっそぉ、覚えとけ。塩漬け、行くぞ！作戦変更だ！」