第六十五回正倉院展

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 光明皇后は、聖武天皇の遺愛の品々とは別に、六十種類の薬を大仏様に献納しました。
 聖武天皇は、若いころから病気がちでした。これらの薬は、聖武天皇の為に集められたものでした。献納した薬のリストが「種々薬帳」です。病気で苦しむ人に用いてもらいたいとかいてあります。これを服せば「万病悉除」「千苦皆救」「無夭折」と記されています。

 その中で「無夭折(夭折することなし:幼いうちに死なない)」という言葉は胸に迫ります。光明皇后の子供は夭折したからです。

 これらの薬は、光明皇后の願い通り、施薬院(光明皇后が創設した病院)へ支給されるなど、実際に使用されました。現在でも、桂心(けいしん)、大黄(だいおう)、甘草(かんぞう)など四十種類が残っています。

 世界を見ても、皇室のような統治者はいません。深い深い愛情を正倉院に観に行きたいものです。

思ひこめ 納める品々 今につづく この思ひもて 我ら眺める

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このページは、宝徳 健が2013年11月 5日 04:14に書いたブログ記事です。

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