百人一首 6

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 有名な大伴家持の歌を紹介します。百人一首では中納言家持となっています。万葉集を読むと家持が沢山出てきます。今日の歌は、万葉集からではありませんけど。

 鵲(かささぎ)の 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける

 この歌にも、すてきなロマンが隠されています。古代日本人と私たち現代人は、教養に於いて、圧倒的な差があります。私たちは古代日本人の足元にも及びません。

 この歌の背景には七夕伝説があります。
 年に一度、天の川に隔てられた織姫と彦星が、デートを楽しむのが七夕です。支那の伝説によれば、鵲は、その手助けをする鳥となっています。鵲が群れを成して、天の川を横断すると、その列が橋に化けます。織姫はその橋を渡って彦星に会いに行きます。

 鵲は、烏の仲間で、体の色は黒色です。でも、腹と肩、そして翼の先端は白色です。この歌の「橋におく霜」は、その白い部分を指しています。ロマンチックですよね~。

 こういう教養がなくて、英語なんか覚えても、何を話すのか見当もつきません。自國の歴史と言葉をしっかりと学んでからでないと、英語なんてただの表音文字です。それがなぜわからないのだろうか?

 「七夕の日、牽牛と織姫を逢せるために、鵲は翼を連ねて渡したいという橋   天の川に散らばる霜のような星の群れの白さを見ていると、夜もふけたのだなあと感じてしまう」

 こんな和歌を詠めるようになりたいな~。

牽牛と 織姫隔てる 天の川 一年一度の ロマンスを待ち

 以前、このブログに書いた七夕伝説です。博多弁になっています。

 むかしむかし、天帝という神様が星空を支配しとったげな。そのころくさ、天の川の西の岸に、織女(しょくじょ)という天帝の娘が住んどったったい。 織女は、機織(はたおり)がほんなごつ上手でくさ、彼女の織った布は雲錦って呼ばれとったとたい。色もきれいでくさ、丈夫やし着心地もよかったけん、みん なに人気があったったい。すごか~。

 それでくさ、もう一方の東の岸にはくさ、牛飼いの青年、牽牛(けんぎゅう)が住んどったったい。牽牛は、毎日、天の川で牛を洗って、おいしい草を牛に食べさせよったとよ。よ~う牛の面倒ば見る働き者のよか青年やったったい。

 天帝はくさ、毎日働いてばかりいる娘ば心配しよんしゃったと。はよ、婿さんば見つけて嫁にやらなと、あせりよったったい。そやけんくさ、川の向こうに住んじょる、牽牛をひきあわせようとしよんしゃった。

 天帝「おまえたちふたりは、よう働くけん、結婚しやい。牽牛、うちの娘がもろうちゃりやい」
牽牛「そげんこつ、夢のような話があってよかとやろうか。すいまっしぇ~ん。ありがとうございます」と言って織女をもらい、ふたりはめでたく夫婦になったと。

 ところがくさ、夫婦になったとたん、仲のよすぎて、朝から晩までいちゃいちゃして働かんくなったげな。天帝は、怒ってくさ

 「なんばしよっとね! 仕事ばせんね! 働かんね!」 と叱ったばってん、ふたりは「わかっとっちゃ、明日からやるっちゃ」と答えるばかりで、いっちょん働かんったい。

 織女が布を織らんくなったけんくさ、機織機はホコリのすごかとたい。天界には新しい布がのうなってしもうたと。牛もくさ、牽牛が面倒みんもんやけん、やせて倒れてしもうたったい。

 天帝は、怒ってしもうて、ふたりを離してしもうたと。ばってん、離してずっと会えんかったらかわいそうやけん、一年に一度、7月7日の日だけ天の川をわたって会うことを許しんしゃったったい。よか話しばい。


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このページは、宝徳 健が2014年1月11日 08:35に書いたブログ記事です。

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