芹乃栄

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 今日から七十二候 六十七候 小寒 初候 「芹乃栄」です。「せりさかう」と読みます。

 小寒は、最も寒い時期の始まりです。「芹乃栄」は「芹がよく育成する」という意味です。
 芹は春の七草の一つです。セリ・ナズナ(ペンペン草)・ゴギョウ(母子草)・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの七種類です。小さい時に母に教えてもらい覚えました。

 我が國は、古来より五節句の一つ「人日の節句(一月七日)」の朝に、「七草粥」と呼ばれる、これらの七種類の野菜が入ったおかゆを食べる風習があります。邪気を払い万病に効くとされています。

※五節句
人日(じんじつ)の節句:一月七日:七草粥
上巳(じょうし)の節句:三月三日:ひな祭り
端午の節句:こどもの日
七夕(しちせき)の節句:七夕
重陽(ちょうよう)の節句:菊の節句

 この風習には、お節で疲れた胃を休ませ、野菜が乏しい冬場に不足治がちな栄養素を補うと云う側面もあります。江戸時代には武家や庶民にも定着し、幕府では公式行事として、将軍以下すべての武士が七草粥を食べる儀式を行っていました。今は、だんだん廃れつつあります。残念なことです。核家族は風習まで壊します。

 芹は、おひたしや鍋物などにして食されることが多く、薺(ナズナ)は、実の形が三味線に似ていることからぺんぺん草と呼ばれています。ゴギョウは葉や茎に銀白色のうぶ毛が密生している野菜です。ハコベは茎の色が紫がかっているのが特徴です。春の七草のホトケノザはキク科ですが、現在ではホトケノザはシソ科になります。スズナとスズシロは、それぞれカブと大根の葉のことで、スズシロは、炒め物として食べると栄養の吸収がよいと云われています。

 スズシロを糠床で古漬けにして、採りだしたものをみじん切りにし、ごま油で炒めて、醤油を少したらします。それをお茶漬けにして食べると、とってもおいしいですよ。

 かつての我が國は、ゼロ・エミッション(廃棄物が出ない社会)でした。「もったいない」が実践されていたのですね。

七草を 寒さ身にしむ 朝に食し 家族みんなの 健康願ふ

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このページは、宝徳 健が2014年1月 5日 04:22に書いたブログ記事です。

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