南天の実になる花と思はれず

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 表題の句は、私の大好きな正岡子規のものです。

 今が、七十二候 七十候 大寒 初候 「款冬華(ふきのとうはなさく)」であることは数日前のブログで紹介しました。

♪赤い鳥小鳥
なぜなぜ赤い
赤い実を食べた♪

でしたっけ? 子供の頃、歌いませんでしたか? この赤い実って南天ですよね?
 赤い実が鮮やかな南天は「難を転ずる」という縁起物として、お正月飾りに使われることが多い植物です。

 昔、母が、食中毒を予防するおまじないとして、南天の葉を弁当に添えてくれたものです。

 実は南天は「南天葉」というれっきとした漢方薬です。熱さましや咳止めの効能があります。「南天のど飴」という商品がありませんでしたっけ?ちょっと調べてみます・・・・・・


(常盤薬品HPより)

 まだあったんだ~。♪なんてんのど~あめ~♪でかつてよくCMソングを聞いたものです。

 「南天の実」は、冬の季語です。でも、「南天の花」は、六月ごろに開花するため、夏の季語となっています。赤い実とは対照的に白い花を咲かせます(白南天という種もありますが割愛)。なので、正岡子規は「南天の実になる花と思はれず」と詠みました。

 アメリカのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦前に我が國はすべてダメだったとする占領軍の情報戦略)のために、世界で最も優れていた、民主主義など足元にも及ばない人間社会の理想の姿である家族制度を、不埒なアメリカにぶち壊されてしまいました。核家族化が進みました。私の家も核家族です。

 庭が亡くなりました。ITやゲームが盛んになりました。子供たちが植物を知らずに成長します。

 私の和歌など、稚拙極まりないことは自分ではわかっています。生きる訓練の為に詠んでいるだけです。でも、和歌を自分たちの手で取り戻したいと思っています。 この核家族と云う情緒の無い世界を少しでも打破るために。だって、かつての我が國は「言の葉の幸(さきあ)ふ國」だったんですもの。心を素直にコトに置き換え、コトを素直に言の葉に置き換える能力を持った世界で唯一の民族でした。敗戦後の私たちが、美しい我が國をぶち壊してしまいました。七十二候を知らない人もたくさんいます。悲しいことです。哀しいことです。

しきしまの やまとの國は ことのはの さきはふ國ぞ 福(さき)くありとぞ(万葉集)

 しきしまは、やまとの枕詞です。 

 これからも修行の為に和歌を詠みます。亡くなった河野裕子さんが、ご自身の著作でおっしゃっています。「いいの、いいの。出来栄えや意味を考えず、和歌はどんどんたくさん詠めばいいの」

 この言葉に救われています(笑)。

言の葉を さきはひながら 國づくり 我等の祖先の 偉大さを知る

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このページは、宝徳 健が2014年1月24日 05:50に書いたブログ記事です。

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