我楽多屋

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 以前にも書きましたが、岐阜で一番好きなお店が、古本屋の「我楽多屋」です。昨日も行きました。三島由紀夫をと谷崎純一郎の現代仮名遣いでない本を求めて。

 すごいすごい、この本屋はやはりすごい。中島敦全集もありました。8000円。お金を貯めて賈ひにいきます。

 昨日賈つたのは・・・。
 「金閣寺 三島由紀夫 新潮出版社 昭和三十一年十月三十日發行 當時280圓」「小説とは何か 三島由紀夫 新潮社 昭和四十七年三月十五日發行 當時400圓」「大岡昌平 三島由紀夫全集 筑摩書房 昭和四十四年一月十五日發行 當時?圓」「宴のあと 三島由紀夫 新潮社 昭和三十五年發行 (かういふ風に書いています)定價 參百九拾圓」すばらしい。「鍵 谷崎純一郎 中央公論社 昭和三十一年十二月十日發行 (これもすばらしい)定價三五〇圓」

 どれも歴史的假名遣ひです。もう、讀むのが樂しみで、樂しみでしかたがありません。

 それともうひとつ、店頭の百圓コーナーをみてゐたら、「宮本百合子 小林多喜二全集」がありました。「久しぶりにプロレタリア文學でも讀むか」と賈ひました。

 合計參千百圓。百圓おまけしてくれて參千圓です。

 また、昭和四十年代までは、歴史的假名遣ひが使はれてゐたのですね。残念です。

 本屋のお姉さんとの會話です。
「時々、來るのですが、この本屋さんはすごいですね」
「ありがたうございます。來ていただける方はみなさんそうおっしゃるのですが、最近はなかなか厳しくて」
「そうですか~。あんなくだらない電子書籍なんか本を讀んでゐることにならないんですがね~」
「そうですよね~」
「でも、閉めちやだめですよ。私、このお店なら、一日中ゐることができます。それぐらい價値が髙い店ですよ」
「ありがとうございます」

 ITとは、なんともはや人間社會から情緒を奪うものです。

 さてと、金閣寺から讀むか。

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このページは、宝徳 健が2014年7月 2日 07:06に書いたブログ記事です。

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