百人一首 八十一

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ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ殘れる

 後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)の歌です。

「時鳥(ほととぎす)が鳴いたと思って、そちらを眺めると、そこには何もなく、ただ有明の月だけが空に殘つてゐるよ」

 時鳥は、平安の人々にとつて、春の鶯と同樣、夏を告げる鳥として愛すべき対象のひとつでした。とくに、その夏の最初の一声「初音(はつね)」を聞くことをありがたり、寝ずに夜明けを待つてゐました。

 有明の月とは、夜が明けても空に殘つてゐる月のことです。

 作者の本名は、藤原實定(ふじわらのさねさだ)です。すぐれた政治家で、左大臣正弐位までのぼりました。歌人としても才能に惠まれてゐました。藤原定家の従兄弟です。

 いい歌ですね~。

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このページは、宝徳 健が2014年7月19日 15:10に書いたブログ記事です。

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