百人一首 八十三

| コメント(0) | トラックバック(0)
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる

 詠み人は、皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい)です。藤原俊成(ふじわらしゅんぜい)です。この百人一首の撰者 藤原定家の父です。
「世間から逃れる道はないものだなぁ。思い詰めて分け入つたこの山の奥でも、悲しげに鹿が鳴いてゐるやうだ」

 平安末期の、時代が大きく転換する動乱の世の中を見續けてきた俊成は、この歌で無常觀を詠んでゐます。俊成二十七歳のときの歌です。

 俊成の出家願望がこの哀愁歌となりました。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/5509

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2014年7月21日 06:59に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「個人情報だつて?(皇紀弐千六百七十四年七月十九日の日誌)」です。

次のブログ記事は「寛事を急事を処する」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。