百人一首 九十一

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きりぎりす なくや霜夜(しもよ)の さむしろに 衣かたしき 獨りかも寢む

 後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだじょうだいじん)の歌です。

「蟋蟀(こおろぎ)が鳴いてゐる寒い夜のむしろの上で、私は自分の衣を片敷いて、ひとり寂しく寢るのだらうか」

 奥さんを亡くしたときの歌です。
 後京極摂政前太政大臣とは、九条良經(くじょうよしつね)です。摂政関白家に生まれて約束されたやうに出世コースを歩みました。嫡男だつた兄が早世したことから、九条家の跡取りとなり、わずか二十六歳で右大臣にまで昇つてゐます。

 この歌は、妻を亡くしたばかりのときに詠まれました。隣に妻がいないひとりぼつちの寂しさを詠んでゐます。

 彼の栄華も三十八歳の人生を閉じるときに終えました。何が幸せなのかわかりませんね。

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このページは、宝徳 健が2014年8月 7日 04:47に書いたブログ記事です。

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