草木萠動(皇紀弐千六百七十五年三月壱日)

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 今日から七弐候 六候 雨水 末候 「草木萠動」です。「そうもくめばえいずる」と讀みます。

 草木が芽生へ始める頃です。


 子供の頃は、春をどう感じてゐたのだらうか。それぞれにそれぞれの季節を樂しんでゐたやうな氣がします。

 夏は暑いなあ、と思つてゐました。貧乏だつた我が家は、夏休みもさふでかけることがありませんでした。退屈でした。夏休み中に誕生日を迎へる私です。でも、當時は、生クリームのケーキなどありません。砂糖菓子のやうなケーキを食べてゐました。

 秋は、大好きでした。たき火をしながら栗や薩摩芋を焼いたり、野山を駆け巡つてアケビやうべなどを食べてゐました。1人で山に入り栗ひろいも行きました。芝スキーなんかもやりました。

 冬は、あまり思い出がないなあ。

 春は、この前書いたやうに、山菜採りに行きました。

 自然とばかり遊んでゐたやうな。

 
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびき
たる。
夏は夜。月の頃はさらなり。闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。また、ただ一つ二つ
など、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ
四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて、雁などのつらねたるが、いと小さ
く見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと
寒きに、火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆ
るびもていけば、火桶の火も、白い灰がちになりてわろし。

 どの季節も、變はり目には、ドキドキ新鮮な思ひをした記憶だけはあります。

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このページは、宝徳 健が2015年3月 1日 04:36に書いたブログ記事です。

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