次の一手

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  3年前、まだ、小学生だった息子が将棋をやりたいと言い出しました。私はその時、駒の動かし方は知っていましたが、攻めの先方、囲いの方法、詰め将棋など は、まったくわかりませんでした。そこで、「子供将棋入門」という本を買ってあげました。すると、彼は、どんどんその本を吸収して、次々といろいろな将棋 の本を買ってくれと言ってきました。普段、私に対して、ほとんどおねだりをする子じゃないので、本を少しずつ揃えると、どんどん上達して、将棋をすると、 まったく勝てなくなってしまいました。
  これでは、私もくやしいので、子供と一緒に通信教育をはじめました。子供はどんどん覚えていくのですが、私にとっては、右脳を使うのでとても難しいく四苦八苦しましたが、将棋ということ以上に、いろいろなことを学ぶことが出来ました。

 将棋に、「次の一手」という訓練方法があります。ある程度のところまで指された将棋盤があって、その次に何を指せばいいかという問題です。

 いろいろな可能性の中から、ひとつしか選択できない。また、自分がベストと思われるプランを選択し、自分で責任を持つという点では、経営に告知し ています。そのベストな案を選択するためには、普段からの訓練が欠かせません。ひとつ選択する訓練ではなく、例えば10コ選択肢があっても、経営において は、一つしか選べない、つまり、他の9個を捨てるための知識・情報が必要となります。

 次に、将棋では、どんなに勝っていても(または負けていても)、不用意に一手を指してしまうと、一気に逆転されてしまうことが往々にしてあるとい うことです。これも、経営においては、うまくいっているときほど、あまり思考を働かせずに、安易に進んでしまうことがあり、重大なミスをおかしてしまうこ とがあることと似ています。また、逆境にあっても、身を慎んで努力を重ねていくと、思わぬ光明が見えてくることがあることと似ています。

 三つ目に、近視眼的な行動をとってしまうこと。目の前の状況にとらわれすぎて、全体を見ずに、小さなポイントで選択をしてしまうこと。これも、経営においてよくあることです。

 ともあれ、思わぬことからはじめた四十の手習い。なんとか、二段を取得することが出来ました。一生続けられることがこの年で手に入ることを息子に感謝したいと思います。

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このページは、宝徳 健が2006年6月18日 11:25に書いたブログ記事です。

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